翻訳|separation
(1)混合物を純物質に分けること。(2)純物質の中の化学成分を検知すること。
(1)の一般に混合物から純物質を取り出す操作は、物質の精製といわれる。精製の手段は被検体および目的とする純物質の状態や特性によって異なる。たとえば次のような分離法がある。
[下沢 隆]
固体状態の混合物の分離に用いられる。一般に物質の溶解度にはさまざまな特性がある。たとえば、砂糖と食塩との混合物の精製には、アルコールを用いた再結晶法が用いられる。アルコールはイオン性物質である食塩を溶かさないが、分子性物質である砂糖を溶かすからである。
[下沢 隆]
液体溶媒を用いて固体または液体の中からある物質を分離して取り出す操作。酸・アルカリを用いて化学変化させる場合と、単に溶解させて抽出する場合があり、液体からの抽出には分液漏斗(ろうと)、固体からの抽出にはソックスレー抽出器を用いる。
[下沢 隆]
適当な吸着剤の入った筒の中に、分離精製する試料を注ぐと、吸着剤と試料との親和力の差のために試料の各成分が別の箇所に分配される分離手段。充填(じゅうてん)剤(たとえばシリカゲル)を濾紙(ろし)にかえたものがペーパークロマトグラフィーで、アミノ酸の分離に用いられている。
[下沢 隆]
電気分解やイオン交換法などがこの手段の代表例である。
(2)の物質中の化学成分の分離は、特別な場合を除けば安定な形では取り出せないので、実際上は「成分の確認」を意味する。この手段には破壊法と非破壊法とがあり、前者の代表例が質量分析器であり、後者には分光法やポーラログラフィーなどがある。
[下沢 隆]
出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…そこで,優性の法則をメンデルの遺伝法則から除外したり,2種のホモ接合体の交配から得られるヘテロ接合体は対立遺伝子の相互関係にかかわりなく均一な形質を表す点を重視して,雑種第1代(F1世代)の均一性の法則とすることがある。
[遺伝子・形質の分離]
生殖のために接合体が配偶子をつくるとき,二つの対立遺伝子は互いに分かれて別々の配偶子に入っていく。これを分離の法則とよび,メンデルの遺伝の法則の中でもっとも重要なものである。…
… 防衛機制にはさまざまなものがあるが,どの防衛機制をもっぱら優先的に用いるかによって,個人の性格も違ってくるし,防衛機制が破綻したときに(防衛機制はもともと不合理なものだから,成功したとしても一時逃れだが)生じる精神疾患の種類も違ってくる。たとえば〈抑圧〉とヒステリー,〈反動形成〉および〈分離(隔離)isolation〉と強迫神経症,〈投射(投影)〉とパラノイアは関係が深いといわれる。防衛機制のもっとも基本的なものは,自我を脅かすふつごうな観念や感情を無意識へと追いやる〈抑圧〉であるが,抑圧したからといってそれらの観念や感情は消滅しないので,さらにいろいろと防衛機制が必要となる。…
※「分離」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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