普及版 字通 「壮(漢字)」の読み・字形・画数・意味
壮
常用漢字 6画
(旧字)壯
人名用漢字 7画
[字訓] さかん・つよい
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
旧字は壯に作り、爿(しょう)声。〔説文〕一上に「大なり」とし、〔方言、一〕に「秦・晉の、そ人の大なるもの、之れを奘(しゃう)と謂ひ、或いは之れを壯と謂ふ」とみえる。〔説文〕に爿の字はみえないが、爿に従う字には版築の版木の形と、また牀に従う形との二系がある。ただ壯・將(将)の従うところは、この二系に属するものとみえず、殷金文に多くみえる形の図象から出ているものであろう。銘文の内容によって考えると、は王子の後、いわば親王家の身分を示す図象とみられ、王朝の軍政の執行者であった。壯はそのような特定身分の集団を将(ひき)いるものであり、將はその指揮官、壯はその年齢階層的なよびかたであったと思われる。〔礼記、曲礼上〕「人生まれて~三十を壯と曰ふ」とあり、〔広雅、釈詁二〕に「なり」という。健児(こんでい)の類であろう。士は鉞頭(えつとう)を儀器とする意で、戦士階級をいう。
[訓義]
1. さかん、つよい、いさましい、大きい。
2. 大きい男、戦士、としざかり、としわか、三十歳。
3. (しよう)と通じ、きずつく。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕壯 日本紀私記に云ふ、壯士、多計比(たけきひと)〔字鏡集〕壯 オホキナリ・カタドル・サカリ・スガタ・カタチ・ツヨシ・タケシ
[声系]
〔説文〕に壯声として(荘)・裝(装)・奘など四字、また將(しよう)声の諸字を収める。〔説文〕にいま爿字を脱し、〔玉〕も片部の次に直ちに牀部をおくが、もと「反片を爿と爲す。讀みて牆(しやう)の(ごと)くす」とする一条があり、次に片・爿を合わせた形の鼎をおく編次であったのであろう。ただ壯・將の従うところはその形ではなく、形図象の系統に属し、・裝などはその声義をうけるものと考えられる。
[語系]
壯・・裝tzhiangは同声。壮健・厳荘の意をもつ語である。奘・dzangは同声。妄彊・大の意をもつ語で、壮・荘の転義の字であろう。
[熟語]
壮意▶・壮偉▶・壮懐▶・壮悍▶・壮観▶・壮気▶・壮毅▶・壮騎▶・壮巨▶・壮彊▶・壮健▶・壮語▶・壮佼▶・壮歳▶・壮士▶・壮志▶・壮思▶・壮歯▶・壮事▶・壮者▶・壮心▶・壮盛▶・壮制▶・壮節▶・壮絶▶・壮卒▶・壮胆▶・壮丁▶・壮図▶・壮年▶・壮髪▶・壮美▶・壮夫▶・壮武▶・壮猛▶・壮▶・壮容▶・壮陽▶・壮▶・壮麗▶・壮齢▶・壮烈▶
[下接語]
偉壮・英壮・完壮・巨壮・強壮・彊壮・驍壮・健壮・広壮・宏壮・高壮・剛壮・豪壮・才壮・歯壮・充壮・少壮・清壮・盛壮・勢壮・丁壮・貞壮・肥壮・悲壮・美壮・文壮・勇壮・雄壮・幼壮・老壮
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報