(読み)ソウ

デジタル大辞泉 「壮」の意味・読み・例文・類語

そう〔サウ〕【壮】

[名・形動]
意気が盛んで勇ましいこと。また、そのさま。「その志をとする」
30歳前後の血気盛んな年ごろ。また、その年ごろの男性。「にして大家の貌がある」
[接尾](「草」とも書く)助数詞。灸をすえる回数を数えるのに用いる。
「此の日の灸、肩腎并せて曲池に百五十―」〈蔗軒日録
[類語]勇ましい雄雄おおしい凜凜りりしい勇壮勇猛勇敢剛勇忠勇果敢精悍壮烈・英雄的・ヒロイック(「―と」「―たる」の形で)敢然決然凜然りんぜん凜凜りんりん凜乎りんこ颯爽さっそう

そう【壮〔壯〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]ソウ(サウ)(漢) [訓]さかん
血気盛んな年ごろ。勢いが盛ん。「壮健壮士壮丁壮年強壮少壮
意気に燃えている。勇ましい。「壮挙壮絶壮図壮烈悲壮勇壮
元気づける。「壮行会」
大きくて立派。「壮観壮大壮麗広壮
[名のり]あき・お・さかり・たけ・たけし・まさ・もり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「壮」の意味・読み・例文・類語

そうサウ【壮】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ( 形動 ) 元気盛んであること。勇ましいこと。強健であること。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「老者小者をば易処に当てをき、壮なる者をば劇処に当て置ぞ」(出典:史記抄(1477)一三)
      2. 「老て益益壮(サウ)なれば」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉六一)
      3. [その他の文献]〔春秋左伝‐宣公一二年〕
    2. 三〇歳前後の血気盛んな年齢。盛りのとし。若盛り。また、その人。
      1. [初出の実例]「凡そ人の幼といひ、弱といひ、壮といひ、強といひ、艾(かい)といひ、耆(き)といひ、老といひ、耄(ばう)といふ」(出典:随筆・折たく柴の記(1716頃)下)
      2. [その他の文献]〔論語‐季氏〕
    3. ( 形動 ) 大きくてりっぱであること。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「其邸宅を壮(サウ)にし」(出典:閑耳目(1908)〈渋川玄耳〉金費ひの術)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 ( 「草」とも書く ) 灸(きゅう)をすえる回数、または、艾(もぐさ)分量を数えるのに用いる。
    1. [初出の実例]「被二百草」(出典:玉葉和歌集‐安元二年(1176)六月一九日)
    2. 「灸一灼を一壮といふは、壮年の人にあてて幾灼と定めたれば壮とはいへり」(出典:随筆・榊巷談苑(1704頃か))
    3. [その他の文献]〔夢渓筆談‐技芸〕

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普及版 字通 「壮」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

(旧字)壯
人名用漢字 7画

[字音] ソウ(サウ)・ショウ(シャウ)
[字訓] さかん・つよい

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
旧字は壯に作り、爿(しょう)声。〔説文〕一上に「大なり」とし、〔方言、一〕に「秦・晉のそ人の大なるもの、之れを奘(しゃう)と謂ひ、或いは之れを壯と謂ふ」とみえる。〔説文〕に爿の字はみえないが、爿に従う字には版築の版木の形と、また牀に従う形との二系がある。ただ壯・將(将)の従うところは、この二系に属するものとみえず、殷金文に多くみえる形の図象から出ているものであろう。銘文の内容によって考えると、は王子の後、いわば親王家の身分を示す図象とみられ、王朝軍政の執行者であった。壯はそのような特定身分の集団を将(ひき)いるものであり、將はその指揮官、壯はその年齢階層的なよびかたであったと思われる。〔礼記、曲礼上〕「人生まれて~三十を壯と曰ふ」とあり、〔広雅、釈詁二〕に「なり」という。健児(こんでい)の類であろう。士は鉞頭(えつとう)を儀器とする意で、戦士階級をいう。

[訓義]
1. さかん、つよい、いさましい、大きい。
2. 大きい男、戦士、としざかり、としわか、三十歳。
3. (しよう)と通じ、きずつく。

[古辞書の訓]
和名抄〕壯 日本紀私記に云ふ、壯士、多計(たけきひと)〔字鏡集〕壯 オホキナリ・カタドル・サカリ・スガタ・カタチ・ツヨシタケシ

[声系]
〔説文〕に壯声として(荘)・裝(装)・奘など四字、また將(しよう)声の諸字を収める。〔説文〕にいま爿字を脱し、〔玉〕も片部の次に直ちに牀部をおくが、もと「反片を爿と爲す。讀みて牆(しやう)の(ごと)くす」とする一条があり、次に片・爿を合わせた形の鼎をおく編次であったのであろう。ただ壯・將の従うところはその形ではなく、形図象の系統に属し、・裝などはその声義をうけるものと考えられる。

[語系]
壯・・裝tzhiangは同声。壮健・厳荘の意をもつ語である。奘・dzangは同声。妄彊・大の意をもつ語で、壮・荘の転義の字であろう。

[熟語]
壮意・壮偉・壮懐・壮悍・壮観・壮気・壮毅・壮騎・壮巨壮彊・壮健・壮語・壮佼・壮歳・壮士・壮志・壮思・壮歯・壮事・壮者・壮心・壮盛・壮制・壮節・壮絶・壮卒・壮胆・壮丁・壮図・壮年・壮髪・壮美・壮夫・壮武・壮猛・壮・壮容・壮陽・壮・壮麗・壮齢・壮烈
[下接語]
偉壮・英壮・完壮・巨壮・強壮・彊壮・驍壮・健壮・広壮・宏壮・高壮・剛壮・豪壮・才壮・歯壮・充壮・少壮・清壮・盛壮・勢壮・丁壮・貞壮・肥壮・悲壮・美壮・文壮・勇壮・雄壮・幼壮・老壮

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