紛れる(読み)マギレル

デジタル大辞泉 「紛れる」の意味・読み・例文・類語

まぎ・れる【紛れる】

[動ラ下一][文]まぎ・る[ラ下二]
1 入りまじって区別がつかなくなる。また、はっきりしなくなる。「人込みに―・れて見失う」「勝負の行方が―・れてくる」
2 似通っていて見分けがつかなくなる。「―・れやすい色」
3 他と見分けのつかない状況などをうまく利用する。混乱などに乗じる。「騒ぎに―・れて盗みを働く」「夜陰に―・れて逃げる」
4 他に心が奪われて、本来行うべきことがおろそかになる。「多忙に―・れて返事が遅れる」
5 他に心が移って、悲しみなどを忘れる。「気が―・れる」
6 他に差し障りがある。
「舞も見たけれども、けふは―・るる事いできたり」〈平家・一〉
[類語](1)しっちゃかめっちゃか・はちゃめちゃ・乱雑・雑然・乱脈・紛然・紛紛・繚乱・蕪雑ぶざつ・狼藉・卍巴まんじともえ・不統一・ごっちゃ・ごちゃまぜ・ごちゃごちゃ・ごしゃごしゃ・ごじゃごじゃ・ごたごた・めちゃくちゃ・まぜこぜ・支離滅裂・鼎かなえの沸くが如し・上を下へ・蜂の巣をつついたよう・押すな押すな・押し合いへし合い・混乱・錯綜・錯乱・混沌・錯雑・交錯・混線・混同・混交・混迷・ごた混ぜ・どさくさ・こんがらかる/(5)まがう・紛らす・隠れる・潜ひそむ・忍しのぶ・伏ふす・潜もぐる・紛れ込む・逃げ込む・潜伏せんぷくする・隠伏する・韜晦とうかいする・身を隠す・身を潜ひそめる・人目を盗む・人目を忍ぶ・人目を憚る・人目を避ける・逃げ隠れ・鳴りを潜める・雲隠れ

まぐ・れる【▽紛れる】

[動ラ下一][文]まぐ・る[ラ下二]道に迷う。
「山なんぞは越さねえで爰ここまで―・れてきたのだあ」〈魯文・西洋道中膝栗毛〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「紛れる」の意味・読み・例文・類語

まぎ・れる【紛】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]まぎ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. ① 入りまじる。多くの中に混入してわからなくなる。
    1. [初出の実例]「ある時には、来し方行末も知らず、海にまぎれんとしき」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  3. ② 似かよっていて見分けにくいさまになる。
    1. [初出の実例]「紙のいろにさへまぎれて、さらにえみたまへず」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
  4. ③ かくれる。身を隠す。また、まじって判別がつけにくい情況に乗じる。
    1. [初出の実例]「おくれずおひきければ、家をみせじとにやあらん、とくまぎれいきにけるを」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
  5. ④ 人目を忍ぶ。気づかれないようにする。目立たないようにこっそりと行く。
    1. [初出の実例]「け近ければまきれ渡りつつ見奉らせ給ふ」(出典:栄花物語(1028‐92頃)峰の月)
  6. ⑤ 混雑する。あれこれと忙しく繁雑になる。さしさわりがある。ごたごたする。
    1. [初出の実例]「相撲など、公ごとども、まぎれ侍る比過ぎて、候はむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)椎本)
  7. ⑥ 筋道がたたなくなる。混乱する。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  8. ⑦ 他の事に心が散って本来の事がうやむやになる。また、他に心がひかれて、不快や悲しみを忘れる。
    1. [初出の実例]「まぎるることなくて、夜は念仏声ききはじむるより、やがて泣きのみあかさる」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)

まぐ・れる【紛】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]まぐ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 道に迷う。さまよう。
    1. [初出の実例]「旅烏がまぐれて来たか」(出典:歌舞伎・廓曠着紅葉裲襠(子持高尾)(1873)序幕)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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