デジタル大辞泉
「起」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
おこし【起】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「おこす(起)」の連用形の名詞化 )
- ① 寝ている人の目をさまさせたり、立たせたりなどすること。
- ② 田や畑をたがやすこと。
- [初出の実例]「起しせし人は迯けり蕎麦の花」(出典:俳諧・続猿蓑(1698)秋)
- ③ 花札で、めくり札を開いて場札と合わせること。
- [初出の実例]「何でもおこしで打ち当てようといふのですよ」(出典:暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉三)
おこり【起】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「おこる(起)」の連用形の名詞化 ) 物事の始まり。物事の原因。起源。起因。由来。
- [初出の実例]「唐土(もろこし)にも、かかる事のおこりにこそ、世も乱れ悪しかりけれ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
- 「或人云、和琴のおこりは、弓六張をひきならへて、これを神楽にもちゐけるを、わづらはしとて、のちの人のことにつくりうつせると申つたへたるを」(出典:無名抄(1211頃))
き【起】
- 〘 名詞 〙
- ① きわめて短い時間。瞬間。刹那(せつな)。〔勝鬘経‐一乗章〕
- ② =きく(起句)①
- [初出の実例]「第一句を起(キ)と云言起すなり」(出典:授業編(1783)七)
おき【起】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「おきる(起)」の連用形の名詞化 ) 目がさめること。また、横になっている状態からからだをおこすこと。
- [初出の実例]「あひ見てもなごりをじまのあま人はけさのおきにぞ袖ぬらしける〈藤原良平〉」(出典:千五百番歌合(1202‐03頃)一二五八番)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 
普及版 字通
「起」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
Sponserd by 
起 (おこし)
尾張国(愛知県)中島郡,木曾川東岸の平地の村で,美濃路七ヵ宿の一つ。地名の初出は1320年(元応2)で〈興郷〉とある。1586年(天正14)の洪水で被害をうけたが,1600年(慶長5)関ヶ原の戦直後に宿駅とされ,08年には木曾川起渡に船頭給として60石を除地,60年(万治3)以後は船頭20人が常置された。72年(寛文12)の人口102戸587人,1867年(慶応3)に246戸1172人。本陣1軒,脇本陣1軒で1845年(弘化2)262軒のうち旅籠屋・茶屋・木賃宿14軒,往還人足・川揚中瀬稼22軒とある。この年織屋職45軒,綛(かせ)賃くり稼18軒など織物業従事者70軒を数えるように,18世紀中ごろ西陣からさんとめ縞の技術が伝わり,菅大臣縞,結城縞へと変遷して幕末ごろには尾西織物の中心地となった。明治以後モスリン,フランネル,ラシャなどを経て毛織物生産に移っていった。96年町制をしき起町,1955年尾西市,2005年一宮市となった。
執筆者:林 英夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
Sponserd by 
起(愛知県)
おこし
愛知県一宮市(いちのみやし)西部の地区。木曽(きそ)川東岸に位置し、美濃路(みのじ)の宿場町、木曽川渡船場を兼ねる河港で、本陣、脇(わき)本陣、問屋場もあった。結城縞(ゆうきじま)、土人形を産し、毛織物工場が多い。濃尾(のうび)大橋で岐阜県羽島市と結ぶ。
[編集部]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
Sponserd by 
起
おこし
愛知県北西部,一宮市南西部の旧町域。 1955年朝日村と合体して尾西市となったのち,2005年一宮市に編入。美濃路の宿場町で,本陣,脇本陣,問屋などをもち,近くに美濃路の富田一里塚 (国指定史跡) がある。また木曾川の渡船場としても発展。江戸時代から木曾川の自然堤防上ではワタが栽培され,綿織物や結城縞などの絹織物の産地であった。明治末期から綿毛交織のモスリンなども生産された。一般に中小の家内工業が多い。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
Sponserd by 
世界大百科事典(旧版)内の起の言及
【木曾川】より
…後期になると,細目村の黒瀬湊が木曾川遡航(そこう)の終着地として商業の中心地となった。上流には,そのほか小山,川合,取組,犬山,中流には草井,円城寺,笠松,北方,起(おこし)などの港,河岸が発達し,起が美濃路の宿,渡船場として発展した。 中流の尾濃両国の地に南北朝のころから浄土真宗が広まりはじめ,尾張中島郡江吉良の良心が1361年(正平16∥康安1)に覚如から,津島の慶専が91年(元中8∥明徳2)に綽如(しやくによ)から本尊絵像を受けている。…
※「起」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
Sponserd by 