ちんちん

精選版 日本国語大辞典 「ちんちん」の意味・読み・例文・類語

ちん‐ちん

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 湯の煮えたぎる音やさまを表わす語。
人情本・明烏後正夢発端(1823)上「アイさっき土瓶をしかけておけとおいひなましたから、しかけておきましたら、アノちんちんといってゐますハ」
② 金属や堅い物がふれ合って発する音を表わす語。
(イ) 市街電車が発車時や警告のために鳴らす音。
※三四郎(1908)〈夏目漱石〉二「第一電車のちんちん鳴るので驚いた」
(ロ) 自転車のりんの音。
※社会百面相(1902)〈内田魯庵破調「自転車の鈴(りん)の音、『チンチン、チチン、チンチン』」
(ハ) 時計の時をうつ音。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二「時計の音チンチンチン」
(ニ) 小槌(こづち)の音。
※土(1910)〈長塚節〉七「更に又、小さな槌でちんちんと叩いて」
③ はなをかむ音やさまを表わす語。
※隣の嫁(1908)〈伊藤左千夫〉二「清さんはチンチンと手鼻をかんで」
琵琶三味線などの弦をはじく音を表わす語。
※宣賢自筆本長恨歌琵琶行抄(1540頃)「琵琶の軸を転じ絃をちんちんとならすぞ」

ちん‐ちん

〘名〙
片足少し上げて、他の片足で軽くはねる動作片足跳び。けんけん。ちんちんもがもが。
② 犬が前足を上げ、後足で立つこと。
※落語・王子の幇間(1889)〈三代目三遊亭円遊〉「大きな洋犬(かめ)だ。アレがチンチンを為(し)たりお辞義を為てエる、是は恐入りやしたナ」

ちん‐ちん

〘名〙
① やきもち。嫉妬。ちんちんごころ。
雑俳・なには土産(1844)「ちんちんで・一言呵らるる斗り」
② 「ちんちんかもかも」の略。
咄本一休関東咄(1672)中「それがしかおやは一休とちんちんにて侍る」

ちん‐ちん

〘名〙 陰茎をいう幼児語。おちんちん。
※人情本・仮名文章娘節用(1831‐34)三「これ坊や、なぜそんなに似指(チンチン)をいぢるのだ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ちんちん」の意味・読み・例文・類語

ちん‐ちん[副]

[副]
鉄瓶などの湯の煮えたぎる音を表す語。「炉の茶釜がちんちん(と)音を立てる」
鐘など、硬いものが発する音を表す語。「ベルがちんちん(と)鳴る」
[類語]ちんちりんちりんちゃらちゃらちゃりんじゃらじゃらがちゃがちゃかちゃかちゃがたりかたんがたんかたかたがたがたかたことがたごとことことごとごとことりごとりことんごとんこんこんこんごんごんがつんこつんごつんかちりかちかちこつこつどんとんとんとんどんどんかちゃりがちゃりかちゃんがちゃんかちんがちんからからがらがらがらりかんかんがんがん

ちん‐ちん[名]

[名](スル)
嫉妬すること。やきもち。
「其のくせ何だだといやに―をするんだよ」〈木下尚江良人の自白
男女の仲がたいへんむつまじいこと。ちんちんかもかも。
「まんまと待合へくわえこみて、―おたのの真最中」〈逍遥当世書生気質
犬が、後足で立って前足をそろえて上げること。また、そのしぐさ。「ポチ、ちんちんしなさい」
片足を上げ、他の片足で飛びはねること。また、その動作。けんけん。ちんちんもがもが。
陰茎をいう幼児語。ちんぼ。

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