ぽつり（読み）ポツリ

デジタル大辞泉

ぽつり

［副］
１ 雨やしずくが一つ落ちるさま。ぽつん。「雨粒がぽつりと顔に当たる」
２ 点や穴などが一つだけできるさま。ぽつん。「虫に刺されてぽつりと赤くなる」
３ それだけ孤立しているさま。ぽつん。「雲が一つぽつりと浮かんでいる」
４ 一言だけつぶやくように言うさま。ぽつん。「ぽつりと感想をもらす」
５ 物が途中で切れるさま。ぷつり。ぽつん。「ひもがぽつりと切れる」
[類語]（1）ほろり・ぽろり・ぽたり・ぼとぼと・ぼたぼた・ぽたぽた・ほろほろ・ぽろぽろ・ぽとぽと・ぼろぼろ・たらたら・だらだら・はらはら・ぽつぽつ・ぱらぱら・ばらばら・ほたほた・ぽつりぽつり・ぽつん・はらり・ぱらり・どくどく・たらり・ちょろちょろ・ちょろり・とくとく・したたり・だくだく・ぽとり・滴る・滴り落ちる・垂らす・垂れる・こぼれる・ほとばしる・あふれる／（3）にゅっと・ぬっと・ぬうっと・にょっきり・にょきにょき・ぴょこん／（4）ちょろり・ぽろり・ぽつりぽつり・ぼじゃぼじゃ・ぼそぼそ・ぼそっと・ひそひそ・もごもご・もぐもぐ・ぽつぽつ・しどろもどろ・うだうだ・ぐだぐだ・くだくだ・くどくど・ぶつぶつ・ぶつくさ・ぐずぐず・ささやく・ささやき・つぶやく・つぶやき

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ぽつり

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)

① 雨や水滴などがしたたり落ちるさま、また、落ちてぶつかるさまを表わす語。

※真景累ケ淵（1869頃）〈三遊亭円朝〉二二「顔へポツリと雨がかかります」

② 点や穴などのできるさま、また、考えなどが急に浮かぶさまを表わす語。

※真景累ケ淵（1869頃）〈三遊亭円朝〉一六「眼の下へポツリと訝(をか)しな腫物(できもの)が出来て」

③ ことば少なに話すさまを表わす語。

※帰郷（1948）〈大仏次郎〉朝「ぽつりと、かう言ってから」

④ 孤立しているさまを表わす語。

※良人の自白（1904‐06）〈木下尚江〉続「母子二個(ふたり)がポツリと棄てられでもしたような」

⑤ 物が途中で切れるさま、連続する事柄が中断されるさまを表わす語。

※趣味の遺伝（1906）〈夏目漱石〉二「長い蛇の頭はぽつりと二三寸切れてなくなった」

出典　精選版 日本国語大辞典