のっけ(読み)ノッケ

デジタル大辞泉 「のっけ」の意味・読み・例文・類語

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精選版 日本国語大辞典 「のっけ」の意味・読み・例文・類語

のっけ

  1. 〘 名詞 〙 はじめ。最初。冒頭。多く、「のっけに」「のっけから」の形で、はじめから、いきなり、などの意で副詞的に用いる。
    1. [初出の実例]「叱りちらして跡は晦日(つごもり)〈凉兎〉 品川でのっけにかへる帆かけ船〈凉兎〉」(出典:俳諧・皮籠摺(1699)上)

のっけの補助注記

( 1 )別項「のっけに(仰━)」と同語源とする説もある。
( 2 )近代、「劈頭」「冒頭」などの字を当てることもある。

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日本歴史地名大系 「のっけ」の解説

ノツケ
のつけ

漢字表記地名「野付」のもとになったアイヌ語に由来する地名。コタン名のほか岬名・湾名としても記録されている。天保郷帳には「子モロ持場」のうち「ノツケ」とみえ、当地一帯は近代に入り野付のつけ村に包含された。仮名表記は「ノツケ」が多いが、古くは「のしけ」(津軽一統志)、「のつけ」(寛政蝦夷乱取調日記)もみられる。漢字表記は「野付」(児山「蝦夷日記」)、「能津家」(行程記)がある。語義について「東行漫筆」に「顔のあごの事をノツケと云、出崎と云事」(文化六年四月二三日条)、「地名考并里程記」に「夷語ノツケウなり。則、頤といふ事。昔時、此所へ大きなる鯨流れ寄て、其頤此崎となる故、字になすといふ」とある。

津軽一統志」のシャクシャインの戦の記録に「みむろより出、のしけへ着。此間海上四、五里程」「是よりらつこ島くなしりへ渡り申候(中略)右ののしけとくなしりとの間は入海にて御座候」とあり、当時からクナシリ(国後)島方面への渡海口であった。クナシリ・メナシ蜂起の際には「立火飛脚の場」として「のつけにて合火」(寛政蝦夷乱取調日記)とみえる。

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