翻訳|picturesque
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
18世紀末ごろ、イギリスで隆盛をみせた美的概念・態度。イタリア語のピットレスコpittorescoに由来するこの語の定義をめぐり、当時さまざまな論議が展開された。まずW・ギルピンが、自然の景観に、クロード・ロランに代表されるような、17世紀風景画の美をみいだすことを目的とした「ピクチャレスクな旅行」を唱導したのに続いて、U・プライスが、E・バークの提唱した「崇高」や「美」とまったく別個の美的範疇(はんちゅう)としてこの語を定義し、「粗荒さ」「不規則性」「突然の変化」「想像力を刺激する力」などに特質があるとした。こうしたプライスの影響を受けて、建築家ジョン・ナッシュは、造園家ハンフリー・レプトンと組んで、建築や風景式庭園でピクチャレスクを実践しようと試みた。ともあれ、1770年ごろからしだいに流行をみせたピクチャレスクな旅行は、多くの画家に自国の風景に対する目を開かせ、イギリス風景画の隆盛に大きい刺激を与えることになった。
[谷田博行]
敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...