ホワイト(英語表記)white

翻訳|white

デジタル大辞泉 「ホワイト」の意味・読み・例文・類語

ホワイト(white)

白。白色。
白色の絵の具。また、白色の修正液のこと。
白色人種。白人。
道徳的に好ましいこと。誠実・潔白であること。「ホワイト企業」「ホワイト国」
[類語](1白色はくしょく白妙しろたえ純白雪白せっぱく雪色せっしょく乳色ちちいろ乳白色にゅうはくしょくミルク色灰白色かいはくしょく象牙色ぞうげいろオフホワイトアイボリー真っ白真白い真っ白い白い白白しらじら白白しろじろ白っぽい真っ白け生白いほの白い雪白ゆきじろ皚皚がいがい雪を欺く蒼白そうはく白白しい白皙はくせき色白白面白地しらじ白地しろじ

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精選版 日本国語大辞典 「ホワイト」の意味・読み・例文・類語

ホワイト

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] white )
  2. 白。白い色。〔舶来語便覧(1912)〕
  3. 白色絵の具。
  4. 白色人種に属する人。白人。
    1. [初出の実例]「避けていたホワイトのアメリカ人からそんな風に心安く声をかけられたことで」(出典:南部の旅(1959)〈庄野潤三〉)
  5. 素人。
    1. [初出の実例]「あの田の次という芸妓の如きは。中々ホワイト〈しろうとといふ事か〉にもめづらしい女だ」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一七)
  6. ホワイトシャツ」の略。
    1. [初出の実例]「小野田はホワイト一枚になって」(出典:あらくれ(1915)〈徳田秋声〉七九)

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改訂新版 世界大百科事典 「ホワイト」の意味・わかりやすい解説

ホワイト
Gilbert White
生没年:1720-93

イギリスの牧師,博物学者。ロンドンの南西約80kmに位置する生地セルボーンで牧師補をつとめながら自然の観察に熱中し,その成果を約20年間にわたり書簡の形で博物学者ペナントThomas Pennant(1726-98)らに報告し続けた。これらの書簡をまとめた著作《セルボーン博物誌》(1789)は,美しい文体と鋭い観察眼とを兼ね備えた自然史文学の古典であり,また政争から身を引き自然に遊ぶ隠棲者の随想としてもI.ウォールトン《釣魚大全》と双璧を成す。彼の弟ベンジャミン・ホワイトBenjamin White(1725-94)が博物学書の出版を手がけていた関係から著者の一人ペナントとギルバートとの親交が始まっており,また《セルボーン博物誌》の初版も弟の手で出版された。牧師や博物学者がその居住地域の故事と自然史を研究し著書にまとめる習慣はプロットRobert Plot(1640-96)の《スタッフォードシャー博物誌》(1686)を先駆として18~19世紀に流行した。しかしその中からホワイトの著作だけが古典として残ったのは,鳥の渡りや生殖行動をはじめ,生物の生態を自身の目で科学的に観察し,神話や伝承から得た民俗的情報との混同を避けた記述態度によるといえよう。
執筆者:


ホワイト
Patrick White
生没年:1912-90

オーストラリアの小説家,劇作家。シドニー南西の大牧場主の子として,両親の旅先のロンドンで生まれた。ケンブリッジ大学卒。第2次大戦でイギリス軍情報部勤務中,知り合ったギリシア人男性と今日まで続く共同生活に入った。1948年に20年余の欧米生活を打ち切り帰国,シドニー南郊に住んだ。〈精神の白夜の国〉オーストラリアの人間であることは,ホワイトの作家としての運命を決定した。彼自身の倨傲とマッチしたヘレニズム的な高みから,自国の精神的卑俗さを凍りついた憎悪で切り刻む文体は,ローソンを中心とする,共同体意識に貫かれたこの国の文学潮流ではとらえられなかった孤立者の内面の神秘に光をあてた。73年この国初のノーベル文学賞を受賞した。代表的長編小説に《人間の樹》(1955),《ヴォス》(1957。邦訳あり),《完璧な曼荼羅》(1966),《生体解剖人》(1970),《台風の目》(1973),《トワイボーンの場合》(1979),戯曲の代表作に《四つの戯曲》(1965)がある。自伝《ひび割れた鏡》(1980)は同性愛の告白が衝撃を与えた。
執筆者:


ホワイト
Leslie Alvin White
生没年:1900-75

アメリカの文化人類学者。コロンビア大学のF.ボアズのもとで学ぶ。はじめは文化とパーソナリティ論に関心をもったが,イロコイ族を調査するに及んで,アメリカ・インディアン研究の先駆者L.H.モーガンの著作,ことにその進化理論に深く影響されるようになった。20世紀前半の反進化論的なアメリカ文化人類学界にあって,前世紀モーガンE.B.タイラーの進化理論を積極果敢に再評価したところから,新進化主義者と呼ばれた。彼の進化理論は,人類社会に普遍的な進化段階を追究するいわゆる単系進化論であり,エネルギー使用量を文化進化の原動力と考えた。その理論は,各民族の文化進化と生態学的環境との関連を重視したJ.H.スチュワードの多系進化論と対比されることが多い。ミシガン大学人類学部を創設し,E.R.サービスやM.D.サーリンズなど,多くの進化主義的人類学者を養成した。
執筆者:


ホワイト
William Henry White
生没年:1845-1913

イギリスの造船技術者。造船所の見習工を経て王立造船学校に学んだのち,海軍省に入った。1881-83年主任造船技師,1885-1902年海軍造船長官を務め,200隻以上の艦船の設計,建造を指導し,イギリス艦隊の増強に貢献した。海軍省での勤務と同時に,王立造船学校教授,王立造船大学教授として講義を行い,1877年には,《造船工学便覧Manual of Naval Architecture》を著した。88年にはローヤル・ソサエティ会員に選出されている。
執筆者:

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大学事典 「ホワイト」の解説

ホワイト
Andrew Dickson

アメリカ合衆国の歴史家,大学教授,外交官,教育者。アメリカの大学が古い宗派的な束縛から解放され,純粋科学や応用科学が文学などと同等な地位を持つことを理想とし,1865年,エズラ・コーネルとともに,今日研究大学,進歩的な大学として名声を有するコーネル大学を共同で設立した。ニューヨーク州に生まれ,イェール大学で学士号を取得。同級生にダニエル・コイト・ギルマンがいた。パリ大学やベルリン大学にも学び,1858年にミシガン大学歴史学および英文学教授,66年にコーネル大学歴史学教授ならびに初代学長(任期1885まで)となる。外交官としても活躍し,1892~94年にロシア大使,1897~1902年にドイツ大使を務めた。著書に『キリスト教国における科学と神学の戦いの歴史A History of the Warfare of Science with Theology in Christendom』(上下2巻,1896年)があり,一部邦訳されている(森島恒雄訳『科学と宗教との闘争』岩波新書,1968年)。ニューヨーク州イサカで死去。
著者: 赤羽良一

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色名がわかる辞典 「ホワイト」の解説

ホワイト【white】

色名の一つ。JISの色彩規格では「」としている。一般に、人間の目に見える光のすべてを反射する物体から感じる色をさす。ただし、これは理論上の白であって、実際にそのような物体は存在しないとされる。そのため、日常生活で「白」といっている物はすべて「白のようなもの」ということになる。したがってホワイトはホワイトであり、ほかの色で形容しようがない。また、ホワイトは無彩色であり、ブラックの対語。このホワイトとブラックはもっとも古く発生した色名の概念とされる。具体的なホワイトの色名にはスノーホワイトがある。

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百科事典マイペディア 「ホワイト」の意味・わかりやすい解説

ホワイト

米国の写真家。ミネソタ州ミネアポリス生れ。ボーモント・ニューホールに影響を受け,1916年より独学で写真を始める。1928年よりミネソタ大学で植物学を専攻した後,コロンビア大学で美術史と美学を学ぶ。第2次大戦従軍中にカトリックに改宗。宗教的・幻想的イメージと自然を融合させた独自の表現を確立した。1952年アダムズ,ニューホール,ドロシア・ラングらとともに写真雑誌《アパチャー》の創刊に参加,その後も同誌やジョージ・イーストマン・ハウス発行の写真雑誌《イメージ》の編集に関った。ロンドンで没。

ホワイト

オーストラリアの小説家,劇作家。シドニー南西の大牧場主の子。英国で学び,第2次世界大戦中は英国空軍情報部に勤務,そこで知り合ったギリシア人男性との同性愛は自伝《ひび割れた鏡》(1981年)にも描かれている。1948年に帰国し,これまで閉塞したナショナリズム色の濃かったオーストラリア文学の伝統を打ち破る作品を発表した。おもな長編小説に《人間の樹》(1955年),《ヴォス》(1957年),《完璧な曼陀羅》(1966年),《生体解剖人》(1970年),《台風の目》(1973年),《トワイボーンの場合》(1979年)。戯曲に《四つの戯曲》(1965年)など。1973年ノーベル文学賞受賞。

ホワイト

米国の小説家,批評家。長編第1作《エレーナを忘れて》(1973年)などで幻想的作風を高く評価されたあと,1950年代米国社会を背景にゲイとしての思春期を描いた自伝的長編《ある少年の物語》(1982年)では〈最も卓越したゲイ作家〉としての声望を得る。《美しい部屋は空っぽ》(1988年)はその続編。またゲイ解放やエイズ問題を扱う著作として《欲望の国》(1980年)や《ジョイ・オブ・ゲイ・セックス》(1987年)があり,ゲイ文学のアンソロジーも編集している。

ホワイト

英国の博物学者,牧師。生れ故郷セルボーンに住みついて《セルボーン博物誌》(1789年)を書いた。これは友人の博物学者ペナントらにあてた手紙をもとにしたもので,美しい文章と,鳥の渡りや生殖行動についての精緻(せいち)な描写によって,自然誌文学の古典となっている。

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デジタル大辞泉プラス 「ホワイト」の解説

ホワイト

コトブキ製紙が販売するトイレットペーパーのブランド。また、その商品名。リサイクルパルプ100%使用。マイクロエンボス加工。シングル、ダブル2枚重ね、12ロール、18ロール入りがある。ブランドはほかに幅が短いタイプの「プチホワイト」がある。

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367日誕生日大事典 「ホワイト」の解説

ホワイト

生年月日:1892年10月29日
アメリカの財政金融の専門家
1948年没

ホワイト

生年月日:1891年1月17日
アメリカの行政学者
1958年没

ホワイト

生年月日:1590年6月29日
イギリスの政治家
1645年没

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世界大百科事典(旧版)内のホワイトの言及

【セルボーン】より

…オールトンの町の南方8km。ここに生まれ,生涯の大半をこの地で過ごした牧師ホワイトGilbert White(1720‐93)の《セルボーンの博物誌》(1789)で有名。彼はこの書で草木や鳥魚の行動などを正確に観察し,自然に対する無限の愛着を示した。…

【セルボーン】より

…オールトンの町の南方8km。ここに生まれ,生涯の大半をこの地で過ごした牧師ホワイトGilbert White(1720‐93)の《セルボーンの博物誌》(1789)で有名。彼はこの書で草木や鳥魚の行動などを正確に観察し,自然に対する無限の愛着を示した。…

【博物学】より

…アメリカでは全博物図鑑中の最大傑作といわれるJ.J.オーデュボン《アメリカの鳥類》がほぼ同時期に出版されている。一方,博物学書は文芸作品と同じ感覚でも鑑賞されるようになり,G.ホワイトの《セルボーン博物誌》を先駆けとして,J.H.ファーブル《昆虫記》やE.T.シートン《動物記》のような人気作品が書かれた。 20世紀にはいると博物学は,生物学プロパーというよりもむしろ専門家でない自然愛好者が手がける分野と考えられるようになり,記述の学あるいは自然観察の学の全般的衰退をみるに至った。…

【文化】より

…アメリカのL.H.モーガンは,社会の発達を,蒙昧(もうまい),野蛮,文明の3段階に分けて進化論を展開した。ところが,文化の変化は必ずしも一系列的に起こるものではないことが明らかになり,文化進化論はゆらいだが,その後,ホワイトL.A.White,E.サービスらは,文化の新進化論を唱えた。地球上における旧石器時代以来の文化の発達,進化そのものは否定しえない事実であるからである。…

【大衆文化】より

…そこでアドルノらは,大衆文化は,社会変革に向けられるべき大衆のエネルギーを吸収しており,その意味で大衆文化はきわめて政治的意味をもっていると批判した。 このような大衆社会批判はL.A.ホワイト,ローゼンベルクなどアメリカの論者たちに受け継がれ,創造的な教養文化は大衆文化によって危険にさらされていると主張された。すなわち,大衆文化は文化産業のもつマス・メディアを介して普及される。…

【文化】より

…アメリカのL.H.モーガンは,社会の発達を,蒙昧(もうまい),野蛮,文明の3段階に分けて進化論を展開した。ところが,文化の変化は必ずしも一系列的に起こるものではないことが明らかになり,文化進化論はゆらいだが,その後,ホワイトL.A.White,E.サービスらは,文化の新進化論を唱えた。地球上における旧石器時代以来の文化の発達,進化そのものは否定しえない事実であるからである。…

※「ホワイト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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