デジタル大辞泉
「伏」の意味・読み・例文・類語
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ふせ【伏】
[1] 〘名〙 (動詞「ふせる(伏)」の連用形の名詞化)
① 敵を襲うために、敵の気づかぬ所に
軍勢を隠し伏せておくこと。また、その軍勢。
伏勢(ふせぜい)。伏兵。
※蒲生氏郷記(1644頃か)「氏郷真先を掛らるるを敵分別して、小川内と云処にふせを置待所に」
② うつぶせになること。ふせること。また、その状態。
※初年兵江木の死(1920)〈
細田民樹〉二「前進してゐた生人形の兵がぱたりと『伏せ』をした」
③ 破れた所などを、
同種の物で伏せ隠しておおうこと。継ぎをすること。つくろい。
補綴(ほてい・ほてつ)。〔
日葡辞書(1603‐04)〕
※
洒落本・玉之帳(1789‐1801頃)二「曾蘇はふせだからまわしをとりやす」
ふく‐・する【伏】
[1] 〘自サ変〙 ふく・す 〘自サ変〙
① かがむ。平伏する。うつむけになる。
② 隠れる。潜む。
※日本書紀桃源抄(15C後)「
季夏につちのへの日、庚の金が伏するぞ」
③ 従う。降伏する。屈伏する。
[2] 〘他サ変〙 ふく・す 〘他サ変〙
① 身をかがめる。平伏させる。
② 潜ませる。隠す。
※
曾我物語(南北朝頃)五「しばらく兵をふくして、武をかくし、時をまちたまへ」
③ 従わせる。降伏させる。屈伏させる。
※
平治(1220頃か)中「せめば必ず伏せんと思ふがゆへに」
ぶせ【伏】
〘接尾〙 矢の長さをいう時に用いた語で、
一束(いっそく)、すなわち、手の親指以外の
四本の指で握った長さに足りない場合に、指一本の幅に当たる長さを
単位としていったもの。
※
平家(13C前)
一一「十二束二つぶせ、よっぴいてひゃうどはなつ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報