デジタル大辞泉 「凝り」の意味・読み・例文・類語
しこり【▽凝り/×痼り】
2 物事がかたづいたあとまで残るわだかまり。「両者の間に―が残る」
[類語]わだかまり・溝・隔たり・
肩がこる,筋肉がこる,などという場合の〈こる〉という言葉は,筋肉が異常に緊張したり,または痙縮を起こしたときに感じる自覚症状を意味する。筋肉の緊張が亢進すると,ついには痛みを感じるようになる。こりと痛みとは表裏一体の現象で,つまり,こりとは有痛性痙縮ということができる。こりの最も一般的な原因は筋肉の疲労である。たとえば肩こりを考えると,人間が日常,5~6kgの上肢全体を軀幹からつり下げているためには,僧帽筋,肩甲挙筋,前鋸筋が常時,抗重力作用を営んでいなければならない。その人間が筋力以上の活動を強いられると,筋肉に疲労の現象が現れてくる。筋肉の血液の循環が障害されて,酸素やエネルギー源の供給が思うようにいかなくなると,嫌気性解糖がさかんになる。その結果,産生された乳酸などの疲労物質が蓄積されて,筋肉のタンパク質が膠質(こうしつ)化学的変化を起こすと,筋肉が硬くなって,こりの状態になる。筋肉の緊張は,大脳皮質と脳幹網様体,それに筋肉とを結んでいる複雑に絡み合ったコントロール網で調節されている。人間が怒りや恐れなどの精神的ストレスをこうむると,大脳皮質に調節異常が現れる。そして大脳皮質と脳幹網様体,それに筋肉を結んでいるコントロール網が乱れて,筋肉には不随意的,反射的な緊張が亢進する。また精神的ストレスで交感神経が刺激されると,筋肉内の血管が収縮して血液循環が障害されることも,こりの原因となる。また内臓や骨,関節などの深部組織になんらかの疾患があると,筋肉に反射性緊張を伴って,こりが発現することも知られている。筋肉のこりの予防は,筋肉をきたえて疲労が起こりづらくしてやること,それに精神的ストレスを取り除いてやることが第一である。こりが起こった場合には,筋肉を休めて疲労を除き,温湿布やマッサージなどで筋肉の血流をよくするようにすればよい。
執筆者:石井 清一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…これに対して,筋肉になんらかの外傷や急性炎症がある場合の疼痛は,局在がはっきりした鋭い痛みとなる。筋肉痛の場合は,筋肉の緊張が亢進しており,いわゆる〈こ(凝)り〉という自覚症状を伴うことが多い。このような疼痛を有痛性痙縮というが,筋肉の痙縮により疼痛が発生するのか,疼痛により痙縮が発生するのか,両者は表裏一体の現象である。…
※「凝り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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