埒も無い(読み)ラチモナイ

デジタル大辞泉 「埒も無い」の意味・読み・例文・類語

埒らちも無な・い

《「らっし(﨟次)もない」の音変化ともいう》
1 とりとめがない。たわいもない。「―・い話」「―・く笑いころげる」
2 きまりがつかない。順序だっていない。めちゃくちゃである。
「家の経済などは―・いことだったに相違ない」〈露伴・連環記〉
[類語]些細・瑣末・枝葉・枝葉末節・末梢的・些事・細事・小事・細かい・細細こまごましい・煩瑣はんさ・瑣瑣ささたる・区区くくたる・ちょっとした・取るに足りない・たわいない・何でもない・愚にもつかぬ・益体も無い・高が知れる・二次的・二義的・副次的・些些ささ・細ささやか・わずか・幾ばく・たかが・いささか・ほんの・有るか無きか・ちょっと・一縷いちる・一抹・些少さしょう・末節・無駄事・雑事・微微・つまらない・無意味・下らない・問題外・部分的・派生的・卑小・眇眇びょうびょう・由よし無い・トリビアル・やりにくい・しにくい・言いにくい・難しい・小難しい・しち難しい・一筋縄では行かない・なかなかでもない・苦手・気が進まない・ふてぶてしい・困難・至難・度し難い・手ごわい・てこずる・難問・難題・難関・きつい・停頓・行き悩む・言いよどむ・壁にぶつかる・壁に突き当たる・膠着こうちゃく・にっちもさっちも・もたつく・手間取る・行き詰まる・いたちごっこ・停滞・もたもた・暗礁に乗り上げる・紆余うよ曲折・難渋・曲折・頓挫・しち面倒・しち面倒臭い・煩雑・ややこしい・もがく・面倒・やっかい・苦慮・悪戦苦闘・難行苦行・難航・試行錯誤・あがく・苦戦・難物・荊棘けいきょく・あぐねる・デッドロック・窮する・阻害・不自由・ままならぬ・不如意・立ちはだかる・立ち往生・足踏み・多事多難・ぐずつく・もつれる・手が込む・手詰まり・とどこおる・とちる・四苦八苦・暗中模索・逆風・水をさす

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精選版 日本国語大辞典 「埒も無い」の意味・読み・例文・類語

らち【埒】 も 無(な)い

  1. ① 秩序がなく、筋道や理由がたたない。めちゃくちゃでばかばかしい。
    1. [初出の実例]「高綱色をちがへ、はてらちもない事。一度切たる景清がよみがへるべきやうもなし」(出典:浄瑠璃・出世景清(1685)五)
  2. ② しまりがない。とりとめがなく、つまらない。しかたがない。役にも立たない。たわいもない。
    1. [初出の実例]「二人はひょろひょろうろうろと震ひて何の埒もなし」(出典:浄瑠璃・烏帽子折(1690頃)名尽し)

埒も無いの語誌

秩序がない、おもしろくないの意の「らっし(臈次)も無い」から変化して成立した表現であるという説がある一方、「俚言集覧」の「俗語は無埒の義に似たり」によって別語とみる説もあり、後者の立場からは「らち(埒)」をもとに直接に成立した慣用表現ということになろう。両者が直接の派生関係になかったとしても、「らっし(臈次)も無い」に対する「らっち(埒)も無い」、「らっしくち(臈次口)も無い」に対する「らちくち(埒口)も無い」という表現が近世に存在するところから、当時の意識としては、両系統の表現は関係のあるものとしてとらえられていたのかもしれない。また、一方が他方からの類推により成立したという可能性も考えられる。


らっち【埒】=も[=が]無(な)い

  1. =らち(埒)も無い
    1. [初出の実例]「其の夜の心地しみじみと、身に引まとひねて見ても、一人ころりはエエらっちがない」(出典:浄瑠璃・心中重井筒(1707)中)

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