有るか無きか(読み)アルカナキカ

デジタル大辞泉 「有るか無きか」の意味・読み・例文・類語

あるか‐なきか【有るか無きか】

[連語]
あるのかないのかわからないほどに、かすかなようす。また、存在が意識されないほど存在価値のないようす。「有るか無きかの傷」「会社では有るか無きか人物だが」
存在するかしないか。
「あやまちの―を知らぬ身はいとふに似たる心地こそすれ」〈拾遺・雑恋〉
生きているのかどうかわからないほど衰えているようす。
「―に消え入りつつものし給ふを」〈桐壺
[類語]ほのかささやかわずか幾ばくせいぜいたかだかたかが微塵みじん些細ささいまばらいささかほんのちょっと一縷いちる一抹少し心ばかりしるしばかり形ばかり少ない少少いくらかいくぶんややちとちっとちょっぴりなけなし若干心持ち気持ち多少二三少数少量僅僅きんきん数えるほどたったただ少なめ軽少軽微微弱微微微少僅少きんしょう些少さしょう最少微量ちびちびひとつまみひと握りすずめの涙ちょこっとちょこんとちょっこりちょびちょびちょびっとちょぼちょぼちょろりちょんびりちょんぼり爪のあか寸毫すんごうプチ末梢的二次的二義的副次的瑣末さまつ枝葉枝葉末節些事さじ細事小事細かい細細しい煩瑣はんさ瑣瑣ささ区区ちょっとした取るに足りないたわいない何でもない愚にもつかぬ益体も無いらちも無い高が知れる些些ささ末節無駄事雑事つまらない無意味下らない問題外部分的派生的卑小眇眇びょうびょうよし無いトリビアル

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精選版 日本国語大辞典 「有るか無きか」の意味・読み・例文・類語

ある【有】 か=無(な)きか[=無(な)き・無(な)しか・無(な)いか]

  1. あるかないか、また、いるかいないかが、はっきりしないくらい目立たないさま。
    1. (イ) わずかであるさま。かすかで目立たないさま。はかないさま。
      1. [初出の実例]「あはれともうしともいはじかげろふのあるかなきかにけぬる世なれば〈よみ人しらず〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)雑二・一一九一)
      2. 「あるかなきかに門さしこめて、待つことなく明し暮したる」(出典:徒然草(1331頃)五)
      3. 「左の人さし指に有(アル)かなきかのとげの立けるも心にかかると」(出典浮世草子・好色五人女(1686)四)
    2. (ロ) 見るかげもなく衰えたさま。見すぼらしいさま。
      1. [初出の実例]「むかしだにあるかなきかなる中門など、ましてかたもなくなりて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)蓬生)
  2. 生きているのか死んでいるのかわからないほど弱々しいさま。
    1. [初出の実例]「あるかなきかに消え入りつつ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
  3. 存在するかしないか。
    1. [初出の実例]「あやまちのあるかなきかを知らぬ身はいとふににたる心ちこそすれ〈よみ人しらず〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)雑恋・一二三一)
    2. 「思ふべきわが後の世はあるかなきかなければこそは此世にはすめ〈慈円〉」(出典:新古今和歌集(1205)雑下・一八二七)

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