(読み)ニ

デジタル大辞泉 「荷」の意味・読み・例文・類語

に【荷】

運搬するようにまとめた品物。荷物。「を運ぶ」
責任。また、負担。「約束を果たしてが軽くなる」「病人の世話がになる」
[下接語]明け荷揚げ荷脚荷荒荷在り荷入り荷浮き荷打ち荷うわ重荷片荷軽荷倉荷先荷した底荷ちゃく積み荷投げ荷抜き荷抜け荷れ荷初荷ね荷ばら船荷・持ち荷
[類語]荷物貨物手荷物小荷物小包積み荷

か【荷】[漢字項目]

[音](漢) [訓] になう
学習漢字]3年
〈カ〉
植物の名。ハス。「荷葉
にもつをかつぐ。になう。「荷重荷担負荷
にもつ。「在荷集荷出荷入荷
〈に〉「荷主荷札荷物荷役重荷倉荷初荷船荷
[名のり]もち
[難読]稲荷いなり荷前のさき薄荷はっか歩荷ぼっか茗荷みょうが

か【荷】

[接尾]助数詞。数を表す漢語に付いて、一人が肩に担える物の量を単位として数えるのに用いる。「稲三

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「荷」の意味・読み・例文・類語

に【荷】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 持ち運んだり、運送したりする品物。荷物。
    1. [初出の実例]「ここに朸(あふこ)折れて荷(に)落ちき」(出典:播磨風土記(715頃)揖保)
    2. 「江戸でなくては荷(ニ)のはける所がねへ」(出典:滑稽本浮世床(1813‐23)初)
  3. 責務。責任。「荷が重い」「肩の荷がおりる」
  4. 手数のかかる厄介なこと。負担になるもの。
    1. [初出の実例]「一軒かけ離れて、彼処へ行くのは荷なんだけれども」(出典:婦系図(1907)〈泉鏡花〉前)
  5. 劇場関係者の間で、演題と出演者の総称

の【荷】

  1. 〘 名詞 〙 「に(荷)」の古い形か。

荷の補助注記

「書紀‐九・神功摂政前」に、地名荷持」に対して「此をば能登利(ノトリ)と云ふ」という訓注があり、「万葉‐二三」の歌の「射等籠荷四間」が「万葉‐二四」の「伊良虞能嶋」と対比して「イラゴノシマ」とよまれるところから、「荷」を「の」といったことは確実であるが、語として用いられた確かな例は「荷前(のさき)」しかない。


か【荷】

  1. 〘 接尾語 〙 漢語の数詞に付けて、ひとりで肩にになえるだけの物の量を、単位として数えるのにいう語。にない。に。
    1. [初出の実例]「檜破子(ひわりご)五十か」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上)
    2. 「堀溝をうめん為に、うめ草三万余荷(カ)を」(出典:太平記(14C後)二〇)

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普及版 字通 「荷」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)
11画

[字音]
[字訓] はす・に・になう

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は何(か)。〔説文〕一下に「渠(ふきょ)のなり」とみえる。

[訓義]
1. はす、はちす。
2. 何と通じ、に、になう。
3. 苛と通じ、せめる、わずらわしい。

[古辞書の訓]
名義抄〕荷 ハチスノハ・ハチス・ニナフ・モツ・カウフル・タフ・ニ

[声系]
・何haiは同声、苛khaiは声が近い。何は古くは戈(ほこ)を荷う形であった。苛は可(呵して責める)の意を承ける。

[熟語]
荷衣・荷屋荷恩・荷荷・荷花・荷華・荷感・荷気・荷・荷・荷・荷・荷校・荷香・荷糸荷鋤・荷・荷銭・荷・荷戴・荷沢・荷担・荷池・荷帙・荷荷任・荷荷佩・荷筆荷負・荷風荷頼荷笠荷累・荷礼・荷露荷禄
[下接語]
衣荷・円荷・感荷・荷・荷・枯荷・香荷・高荷・採荷・秋荷・衆荷・集荷・重荷・出荷・春荷・荷・新荷・衰荷・折荷・戴荷・担荷・池荷・挺荷・敗荷・薄荷・晩荷・披荷・負荷・風荷・芳荷・荷・緑荷・累荷・裂荷・蓮荷・露荷

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「荷」の解説

荷 (ハス・ハチス)

学名:Nelumbo nucifera
植物。スイレン科の抽水性多年草,園芸植物,薬用植物

荷 (ハチス)

植物。ムクゲの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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