のっけ(読み)ノッケ

デジタル大辞泉 「のっけ」の意味・読み・例文・類語

のっけ

いちばんはじめ。最初多く「のっけから」「のっけに」の形で副詞的に用いる。「のっけからしくじる」「のっけにつまずく」
[類語]真っ先いの一番はじめ最初当初初期初頭劈頭へきとう冒頭出出でだ滑り出し初手しょて出端ではなはな初っぱな口開取っ付きあたまスタート第一一次原初手始め事始めまず優先嚆矢こうし一番先立ち先頭始期早期はし取り敢えず差し当たりひとまず当座序の口皮切り第一歩第一声始まり始まる始めるトップ初発発端端緒濫觴らんしょう権輿けんよ起こりとば口取っ掛かり開始幕開き開幕立ち上がり口切り最優先何をおいても何はさておき何はともあれ口火を切る先ず以て

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精選版 日本国語大辞典 「のっけ」の意味・読み・例文・類語

のっけ

  1. 〘 名詞 〙 はじめ。最初。冒頭。多く、「のっけに」「のっけから」の形で、はじめから、いきなり、などの意で副詞的に用いる。
    1. [初出の実例]「叱りちらして跡は晦日(つごもり)〈凉兎〉 品川でのっけにかへる帆かけ船〈凉兎〉」(出典:俳諧・皮籠摺(1699)上)

のっけの補助注記

( 1 )別項「のっけに(仰━)」と同語源とする説もある。
( 2 )近代、「劈頭」「冒頭」などの字を当てることもある。

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日本歴史地名大系 「のっけ」の解説

ノツケ
のつけ

漢字表記地名「野付」のもとになったアイヌ語に由来する地名。コタン名のほか岬名・湾名としても記録されている。天保郷帳には「子モロ持場」のうち「ノツケ」とみえ、当地一帯は近代に入り野付のつけ村に包含された。仮名表記は「ノツケ」が多いが、古くは「のしけ」(津軽一統志)、「のつけ」(寛政蝦夷乱取調日記)もみられる。漢字表記は「野付」(児山「蝦夷日記」)、「能津家」(行程記)がある。語義について「東行漫筆」に「顔のあごの事をノツケと云、出崎と云事」(文化六年四月二三日条)、「地名考并里程記」に「夷語ノツケウなり。則、頤といふ事。昔時、此所へ大きなる鯨流れ寄て、其頤此崎となる故、字になすといふ」とある。

津軽一統志」のシャクシャインの戦の記録に「みむろより出、のしけへ着。此間海上四、五里程」「是よりらつこ島くなしりへ渡り申候(中略)右ののしけとくなしりとの間は入海にて御座候」とあり、当時からクナシリ(国後)島方面への渡海口であった。クナシリ・メナシ蜂起の際には「立火飛脚の場」として「のつけにて合火」(寛政蝦夷乱取調日記)とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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