(読み)つぼね

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


つぼね

宮殿内の屏風几帳 (きちょう) などで区画されて設けられた部屋,転じてそこに居住を許された女房などをいう。局の称は,『令義解 (りょうのぎげ) 』に「太政官内総有三局 (少納言局左弁官局右弁官局) 」を初見とし,以来,江戸時代まで,宮廷に奉仕する女官幕府大奥女中などの称として用いられた。

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デジタル大辞泉の解説

きょく【局】

[名]
官庁などで、業務分担の大きな区分。また、それを扱う部署。部・課などの上にある。
郵便局」「放送局」などの略。
当面の事件・仕事・職務。「そのに当たる」
囲碁・将棋などの盤。また、その盤を使ってする勝負。「に向かう」
[接尾]助数詞。囲碁・将棋などで、対局数を数えるのに用いる。「碁を三打つ」「名人戦第五

きょく【局】[漢字項目]

[音]キョク(漢) [訓]つぼね
学習漢字]3年
〈キョク〉
小さく仕切る。仕切られた部分。「局限局所局地局部限局
役所などの業務分担の区分。「局員局長医局開局支局当局部局薬局
(跼(きょく)と通用)曲がりちぢまる。「局蹐(きょくせき)
碁盤や将棋盤。また、その一勝負。「局面一局棋局結局終局対局
情勢。「危局時局政局戦局大局難局破局
〈つぼね〉「長局
[名のり]ちか
[難読]美人局(つつもたせ)

つぼね【局】

宮中や貴人の邸宅で、そこに仕える女性の居室として仕切った部屋。また、大きな建物の中を臨時に仕切ってつくった部屋。曹司(ぞうし)。
「ある御達の―の前を渡りけるに」〈伊勢・三一〉

1を与えられている女房・女官。
「日本紀の御―とぞつけたりける」〈紫式部日記
㋑将軍家などに仕える地位のある女性を敬っていう語。「お万の」「春日の
下級女郎がいる部屋。
「都に近き女郎の風俗も変はりて、はし―に物言ふ声の高く」〈浮・一代男・五〉
局女郎(つぼねじょろう)」の略。
「格子、―といふこともなく」〈浮・一代男・三〉

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百科事典マイペディアの解説

局【つぼね】

女官の部屋。名の由来は壺のように間仕切りがあるため。並んでいる場合は長局,局町とも。転じてその住人である女官。近世では下級の女郎(局女郎)の異称。
→関連項目女房

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世界大百科事典 第2版の解説

つぼね【局】

殿舎の中の仕切られた部屋を意味し,とくに宮中や貴人に仕える女房の私室をいい,転じて局の持主を指す称となった。位階を冠して一位局,二位局などと称し,あるいは官職を冠して大納言局,中納言局などというのは上﨟の女房で,按察使局(あぜちのつぼね),小督局(こごうのつぼね)などはこれに次ぐ。また中世以降宮中の重要な地位となった勾当内侍(こうとうのないし)は,その候所が紫宸殿から清涼殿に通ずる長橋の傍にあったので,長橋局とよばれた。

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大辞林 第三版の解説

きょく【局】

[1] ( 名 )
官庁・会社などで、業務の内容に応じて機構を分割する場合の単位の一。普通、部・課より大きい。
「郵便局」「放送局」「電報局」などの略。
当面している仕事・職務や事態。 「 -に当たる」
( 接尾 )
助数詞。囲碁・将棋などの勝負を数えるのに用いる。 「三-続けて勝つ」
[句項目] 局を結ぶ

つぼね【局】

宮中などの殿舎で女官・女房などの私室として仕切られた部屋。
に住む女官・女房。 「日本紀の御-とぞつけたりける/紫式部日記」
宮中や公卿・将軍家などに仕え、重要な地位にある女性を敬っていう語。 「長橋の-」 「春日の-」
大きな建物の中で臨時に仕切りをつけて設けられた部屋。 「この男の-のまへに/平中 7
近世、下級女郎の居る部屋。 「鼻歌をうたひ席駄をひきずり、-の口に立ち/仮名草子・東海道名所記」
「局女郎つぼねじよろう」の略。 「格子・-といふ事もなく/浮世草子・一代男 3

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精選版 日本国語大辞典の解説

きょく【局】

[1] 〘名〙
① いくつかに分けられた部分。くぎり。しきり。小分け。〔礼記‐曲礼上〕
② 家の中の、しきって隔ててあるところ。部屋。つぼね。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
③ 役所などの、事務の一区分。また、それを担当する部署。〔二十巻本和名抄(934頃)〕
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉八「朝廷急に議政局を設け制度法令悉く其局(キョク)より出すべし」 〔陳琳‐為袁紹檄予州文〕
④ 郵便局、電話局、放送局などの略称。
※田舎教師(1909)〈田山花袋〉五〇「局を休んで手伝に来て呉れた荻生さんとが」
⑤ 囲碁、将棋、双六などに用いる盤。また、(その盤を使ってする)囲碁、将棋、双六などの勝負。
※醍醐寺本遊仙窟康永三年点(1344)「取双六局(はむ 別訓 キョク)」 〔班固‐弈旨〕
⑥ さしあたっての場合、仕事、事柄。当面する事柄、仕事、状況。
※平和克復の詔書‐大正九年(1920)一月一〇日「今斯の紛擾の局を収め、安寧を将来に規るは」
[2] 〘接尾〙 囲碁、将棋、双六などの勝負を数えるのに用いる。
※格五新譜(1844‐54頃か)布勢巻「対手第二局 桂馬の定勢なり」 〔南史‐蕭恵基伝〕

きょく‐・す【局】

〘自サ変〙
② 一部に限られる。かたよる。
※学制に関する意見箚子‐安政四年(1857)閏五月一五日「聖賢と申は、多能にして能を頼まず、能に伐(ほこ)らず、技芸を修めて技芸に局せず」

つぼね【局】

〘名〙
① 大きな建物の中で、臨時に簡単な仕切りをつけてしつらえた部屋。貴人などが社寺に参籠、通夜するおりの仏堂内の仕切りなどもいう。
※平中(965頃)七「この男のつぼねのまへに、女ども、立ちさまよひけり」
② 宮中や貴人の邸宅などで、主としてそこに仕える女性の住む私室として、仕切りへだてた部屋。曹司(ぞうし)
※伊勢物語(10C前)三一「むかし、宮の内にて、あるごたちのつぼねの前をわたりけるに」
③ ②を与えられている女房・女官。
※紫式部日記(1010頃か)消息文「ふとおしはかりに、いみじうなん才(ざえ)があると殿上人などにいひちらして、日本紀の御つほねとぞつけたりける」
④ 上流階級の女性を尊んでいう語。多く女性の名前の下にそえて用いる。
※上杉家文書‐享祿三年(1530)一一月二五日・神余昌綱書状「就御服御拝領御礼御申、〈略〉其外上臈御局已下御返事下申候」
⑤ 御殿女中。長局。
※雑俳・柳多留‐一一(1776)「手水組では無いかなと局いひ」
⑥ 局女郎(つぼねじょろう)の部屋。
※仮名草子・東海道名所記(1659‐61頃)一「はな歌をうたひ席駄をひきづり、局(ツボネ)の口にたち」
世草子・好色二代男(1684)五「つぼねの金彌にのかせて、両人入て跡をさし籠」

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