デジタル大辞泉 「是」の意味・読み・例文・類語 ぜ【是】 道理にかなっていること。正しいこと。「はたして是か非か」⇔非。[類語]正当・正しい・至当・適切・適正・公正・中正・まとも・まっとう・まじめ・合理・合理的・論理的・理路整然・ロジカル・理詰め・方正・真正・純正・フェア・理り・理ことわり・事理・条理・論理・理屈・筋・筋道・辻褄つじつま・理路・道筋・ロジック・正道・本筋・正則・合法・合法的・ノーマル・本格的・正式・本式・正格・正統・正調・正規・公式・格調・格式・品格・品位・風格・公おおやけ・公的・本物・儀礼・礼法・礼式・礼儀・風儀・作法・よそ行き・格式張る・折り目正しい・フォーマル・本格・本道・本流・主流・押しも押されもせぬ・れっきと・ちゃんと・道理・道理至極・腰を入れる・本腰・本腰を入れる・レギュラー・オーソドックス・プロパー ぜ【是】[漢字項目] [常用漢字] [音]ゼ(呉) [訓]これ この1 正しい。「是非・是是非非」2 正しいと考える。「是正・是認」3 正しい方針。「国是・社是」4 これ。この。「色即是空しきそくぜくう・如是我聞にょぜがもん」[名のり]すなお・ただし・つな・ゆき・よし こ【▽是/×此】 [代]近称の指示代名詞。これ。ここ。1 眼前の、または話題の事物をさし示す。この。「沖つ鳥胸むな見る時羽たたぎも―も相応ふさはず」〈記・上・歌謡〉2 話し手に近い場所をさし示す。ここ。→この →こは「ほととぎす―よ鳴き渡れ灯火ともしびを月夜つくよになそへその影も見む」〈万・四〇五四〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「是」の意味・読み・例文・類語 こ【是・此】 〘 代名詞詞 〙 事物や場所について、話し手の側、すなわち「相手に対するわれ」「相手を含めたわれわれ」の側に属するものとしてさし示す(近称)。これ。この。① 眼前の、また話題の事物をさし示す。[初出の実例]「許(コ)の御酒(みき)は 我が御酒ならず」(出典:古事記(712)中・歌謡)「うきふしを心ひとつにかぞへきてこや君が手をわかるべき折り」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)② 場所をさし示す(近称)。ここ。[初出の実例]「ほととぎす許(コ)よ鳴き渡れ燈火を月夜(つくよ)になそへその影も見む」(出典:万葉集(8C後)一八・四〇五四)是の補助注記古くは「この」のほか、「こは」「こを」など助詞とともに用いられたが、後世はもっぱら「この」の形で連体詞として使われる。 ぜ【是】 〘 名詞 〙① 道理にかなったこと。正しいこと。一般がよいと認めること。[初出の実例]「ともに是にあらざるを是と執せる」(出典:正法眼蔵(1231‐53)四禅比丘)「子が辞(ことば)甚だ是(ゼ)なり。去ながらいまだ道の大なる事をしらず」(出典:滑稽本・風来六部集(1780)放屁論)[その他の文献]〔易経‐繋辞下〕② 満足な状態にあること。都合よく事が運ぶこと。[初出の実例]「是なる時はよろこび、非なるときはうらみず」(出典:徒然草(1331頃)二一一) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
普及版 字通 「是」の読み・字形・画数・意味 是常用漢字 9画 [字音] ゼ・シ[字訓] さじ・ただしい・よい・これ・この[説文解字] [金文] [字形] 象形匙(さじ)の形で、匙(し)の初文。のち是非の意や代名詞などに用いられ、その原義を示す字として匙が作られた。匙は是の形声字である。〔説文〕二下に「直(ただ)しきなり。日と正とに從ふ」とし、〔段注〕に「天下の物、日より正しきは(な)きなり」と説くが、日の部分は先端の(しやく)のところ、下部は止に近い形であるが、その柄。是非の非も、もと非(すきぐし)の象形。これを是非の意に用いるのは、ともに仮借である。[訓義]1. さじ、匙の初文。2. 実と通じ、ただしい、まこと、よい。3. 此・時と通じ、これ、この。[古辞書の訓]〔名義抄〕是 コレ・ココニ・カカルコト・ヨシ・コトハル・コトハリ・スナハチ・ナホシ・カクノゴトキ・カクノゴトク・タツ 〔立〕是 コレ・ココニ・ナホシ・カカルコト・ヨシ・コトワル・スナハチ・カクノゴトシ・ココヲモテ[声系]〔説文〕に是声として・・寔・匙・題・提など二十三字を収める。・・寔は是と通用の義があり、神事に関する字であることが注意される。是(さじ)は、氏と同じく、氏族共の儀礼に際して用いられるものであった。[語系]是・氏zjieは同声。氏は(けつ)の初文厥の形に近く、肉を切るナイフ。是はスプーン。いずれも氏族共のときに用いる。氏はのち氏族の意となった。祭肉を分かつ膰(しんぱん)の礼が、血族の間に行われたからである。tjie、zjie、寔zjiekもみな儀礼に関するものらしく、是も氏族共のときの器であったと考えられる。[熟語]是以▶・是用▶・是故▶・是是▶・是正▶・是非▶・是否▶[下接語]因是・求是・国是・自是・社是・如是・真是・誠是・党是・非是・不是・由是 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報 Sponserd by