デジタル大辞泉
「正しい」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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まさ‐し・い【正】
- 〘 形容詞口語形活用 〙
[ 文語形 ]まさ
し 〘 形容詞シク活用 〙 - ① 事柄の本性にかなっているさま。正当である。正真正銘である。ただしい。
- [初出の実例]「是正(マサシキ)善根なり」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)八)
- 「まさしゐ太上法皇の王子を討ちたてまつるだにあるに」(出典:平家物語(13C前)四)
- ② 占いなどが当たってその通りに実現するさま。見込み通りである。また、よく言い当てるさま。予想が確かである。
- [初出の実例]「かく恋ひんものとは我も思ひにき心のうらぞまさしかりける〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋四・七〇〇)
- 「文平と申陰陽師こそ、此比掌をさして推察まさしかなれ」(出典:古今著聞集(1254)八)
- ③ 疑う余地なく、確実であるさま。確かである。
- [初出の実例]「我が身を捨てむ事今正しく此の時也り」(出典:観智院本三宝絵(984)上)
- ④ 現実に起こるさま。実際である。
- [初出の実例]「二位は夢をまさしく見なして」(出典:栄花物語(1028‐92頃)浦々の別)
- ⑤ 実直である。忠実である。〔日葡辞書(1603‐04)〕
正しいの派生語
まさし‐さ- 〘 名詞 〙
ただし・い【正】
- 〘 形容詞口語形活用 〙
[ 文語形 ]ただ
し 〘 形容詞シク活用 〙 - ① 形や向きがまっすぐである。ゆがんだり曲がったりしていない。横向きになったり、わき道にそれていない。
- [初出の実例]「聴者端(タタシク)視ること、飢渇せるがごとくす」(出典:金剛般若経讚述仁和元年点(885))
- 「元輔、曾次の前に正しく向ひて」(出典:読本・春雨物語(1808)死首のゑがほ)
- ② 形が整っている。きちんとしている。
- [初出の実例]「容貌正(タタシク)して色乱れず」(出典:大智度論天安二年点(858))
- ③ 道徳、規則、道理、作法、約束の時間など規範とされているものにかなっている。また、事実に合っている。まちがっていない。正統である。
- [初出の実例]「理正しき者其の言を直(ただしく)す」(出典:大唐西域記巻十二平安中期点(950頃))
- 「道のおきてただしく、是をおもくして放埒せざれば」(出典:徒然草(1331頃)一五〇)
正しいの補助注記
漢文訓読文に多く、平安朝のかな文献にはほとんど見られない。
正しいの派生語
ただし‐さ- 〘 名詞 〙
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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