正しい(読み)タダシイ

デジタル大辞泉 「正しい」の意味・読み・例文・類語

ただし・い【正しい】

[形][文]ただ・し[シク]
形や向きがまっすぐである。
㋐形が曲がったりゆがんだりしていない。「線に沿って―・く並べる」「―・い姿勢を保つ」
血筋などの乱れがない。「由緒―・い家柄
道理にかなっている。事実に合っている。正確である。「―・い解答のしかた」「―・い内容」「公選法は―・くは公職選挙法という」「―・いトレーニング方法」
道徳・法律・作法などにかなっている。規範規準に対して乱れたところがない。「行いを―・くする」「礼儀―・い態度」「―・い判決」
[派生]ただしさ[名]
[類語](1㋐)正確精確的確明確確実確か正統直系嫡流/(2まじめ論理的理路整然ロジカル合理合理的理詰め中正方正適正真正純正フェアことわり事理条理論理理屈筋道辻褄つじつま理路道筋ロジック正当至当正道本筋正則公正まっとうまとも合法合法的ノーマル/(3正式正規正則・規範的・本格的本式正格公式正統正調格調格式品格品位風格おおやけ公的本物儀礼礼法礼式礼儀風儀作法よそ行き格式張る折り目正しいフォーマル本当本格本筋まっとう正道本道本流主流中正至当合理的合法的押しも押されもせぬれっきとちゃんとまとも道理道理至極腰を入れる本腰本腰を入れるレギュラーオーソドックスプロパー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「正しい」の意味・読み・例文・類語

まさ‐し・い【正】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]まさ〘 形容詞シク活用 〙
  2. 事柄本性にかなっているさま。正当である。正真正銘である。ただしい。
    1. [初出の実例]「是正(マサシキ)善根なり」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)八)
    2. 「まさしゐ太上法皇の王子を討ちたてまつるだにあるに」(出典:平家物語(13C前)四)
  3. 占いなどが当たってその通りに実現するさま。見込み通りである。また、よく言い当てるさま。予想が確かである。
    1. [初出の実例]「かく恋ひんものとは我も思ひにき心のうらぞまさしかりける〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋四・七〇〇)
    2. 「文平と申陰陽師こそ、此比掌をさして推察まさしかなれ」(出典:古今著聞集(1254)八)
  4. 疑う余地なく、確実であるさま。確かである。
    1. [初出の実例]「我が身を捨てむ事今正しく此の時也り」(出典:観智院本三宝絵(984)上)
  5. 現実に起こるさま。実際である。
    1. [初出の実例]「二位は夢をまさしく見なして」(出典:栄花物語(1028‐92頃)浦々の別)
  6. 実直である。忠実である。〔日葡辞書(1603‐04)〕

正しいの派生語

まさし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

ただし・い【正】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]ただ〘 形容詞シク活用 〙
  2. 形や向きがまっすぐである。ゆがんだり曲がったりしていない。横向きになったり、わき道にそれていない。
    1. [初出の実例]「聴者端(タタシク)視ること、飢渇せるがごとくす」(出典:金剛般若経讚述仁和元年点(885))
    2. 「元輔、曾次の前に正しく向ひて」(出典:読本・春雨物語(1808)死首のゑがほ)
  3. 形が整っている。きちんとしている。
    1. [初出の実例]「容貌正(タタシク)して色乱れず」(出典:大智度論天安二年点(858))
  4. 道徳、規則、道理、作法、約束の時間など規範とされているものにかなっている。また、事実に合っている。まちがっていない。正統である。
    1. [初出の実例]「理正しき者其の言を直(ただしく)す」(出典:大唐西域記巻十二平安中期点(950頃))
    2. 「道のおきてただしく、是をおもくして放埒せざれば」(出典:徒然草(1331頃)一五〇)

正しいの補助注記

漢文訓読文に多く、平安朝のかな文献にはほとんど見られない。

正しいの派生語

ただし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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