盛者必衰(読み)ジョウシャヒッスイ

デジタル大辞泉 「盛者必衰」の意味・読み・例文・類語

じょうしゃ‐ひっすい〔ジヤウシヤ‐〕【盛者必衰】

無常なこの世では、栄花を極めている者も必ず衰えるときがあるということ。しょうじゃひっすい。
娑羅双樹しゃらさうじゅの花の色、―のことはりを表す」〈平家・一〉
[類語]物寂しいさびしいさみしいうら寂しいこころ寂しいわびしい人恋しい孤愁人懐かしい物恋しい小寂しい哀感寂寥せきりょう寂寞せきばく寂寞じゃくまく索漠落莫らくばく蕭然しょうぜん蕭蕭しょうしょう蕭条しょうじょう蕭殺しょうさつ寥寥りょうりょう徒然つれづれ徒然とぜんすがれるうらぶれる寂れるしみじみたそがれ萎靡いび愁いさむざむセンチメンタル落日廃れるうら悲しいしんみりむせぶ哀愁悲愁憂愁物悲しい衰勢物哀れ落ちぶれる物思わしい切ない衰退衰残哀切諦観春愁幽愁秋風索漠愁思秋思愁然衰亡孤独やるせない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「盛者必衰」の意味・読み・例文・類語

じょうしゃ‐ひっすいジャウシャ‥【盛者必衰】

  1. 〘 名詞 〙 ( 後世「しょうじゃひっすい」「しょうしゃひっすい」とも ) 勢いのさかんな者は必ず衰えるということ。この世の無常であることを示したもの。せいしゃひっすい。
    1. [初出の実例]「娑羅双樹(しゃらさうじゅ)の花の色、盛者必衰(ジャウシャヒッスイ)のことはりをあらはす」(出典:高野本平家(13C前)一)
    2. 「年齢盛にして、富貴心に任せ、種姓高貴にして、能徳皆備りつる者、老少不定の理遁がたく、盛者必衰(シャウジャヒッスイ)の謂を免れ」(出典:妻鏡(1300頃か))
    3. [その他の文献]〔仁王経‐下〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

四字熟語を知る辞典 「盛者必衰」の解説

盛者必衰

勢いのさかんな者は必ず衰えるということ。この世の無常であることを示したもの。

[使用例] 盛者必衰は免かれ難い因果とはいいながら、団菊左の諸名優を相手にして、「弁天おてる」や三千歳を演じていた青年美貌の俳優が、こうしたしょうじょうの終わりを取ろうとは――[岡本綺堂*源之助の一生|1936]

出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「盛者必衰」の意味・わかりやすい解説

盛者必衰
じょうしゃひっすい

仏教用語。ひとたび盛んとなっても,必ず衰えるときがある,ということで,世の中の有為転変を表現した言葉。仏教の無常観を表わしている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android