心悲しい(読み)ウラガナシイ

デジタル大辞泉 「心悲しい」の意味・読み・例文・類語

うら‐がなし・い【心悲しい】

[形][文]うらがな・し[シク]
なんとなく悲しい。もの悲しい。「―・い晩秋景色
心の中で、いとしく感じられる。
むらさきは根もかも終ふる人の児の―・しけを寝を終へなくに」〈・三五〇〇〉
[補説]2の用例中の「うらがなしけ」は、連体形「うらがなしき」の上代東国方言形。
[派生]うらがなしげ[形動]うらがなしさ[名]
[類語]びんびん切切せつせつ痛切切実深刻ひしひしつくづくしみじみじいん心からせつ悲しい物悲しいせつないつらい痛ましい哀れ哀切悲愴ひそう悲痛悲傷沈痛もの憂い苦しい耐えがたいしんどい苦痛であるやりきれないたまらないる瀬ない断腸の思い胸を痛める胸が痛む胸が塞がるけだるいアンニュイ胸が裂ける胸が張り裂ける胸がつかえる胸が潰れる胸がつまる気を揉む重苦しい滅入る気遣わしい塞ぐ塞ぎ込む消沈しょげるしょげ返る沈む憂鬱憂愁沈鬱メランコリー気鬱気塞ぎ鬱鬱陰鬱暗鬱鬱屈鬱結鬱気うっき鬱悶うつもん鬱積抑鬱憂さ鬱陶しい悶悶もんもん物寂しいさびしいさみしいうら寂しいこころ寂しいわびしい人恋しい孤愁人懐かしい物恋しい小寂しい哀感寂寥せきりょう寂寞せきばく寂寞じゃくまく索漠落莫らくばく蕭然しょうぜん蕭蕭しょうしょう蕭条しょうじょう蕭殺しょうさつ寥寥りょうりょう徒然つれづれ徒然とぜんすがれるうらぶれる寂れるしみじみたそがれ萎靡いび愁いさむざむセンチメンタル落日廃れるしんみりむせぶ哀愁悲愁衰勢物哀れ落ちぶれる物思わしい衰退衰残諦観春愁幽愁秋風索漠愁思秋思愁然衰亡孤独盛者必衰

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精選版 日本国語大辞典 「心悲しい」の意味・読み・例文・類語

うら‐がなし・い【心悲】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]うらがな〘 形容詞シク活用 〙 ( 「うら」は「こころ」の意 )
  2. 心の中でいとしいと思う。
  3. 心中に悲しいと思う。なんとはなしに悲しい。
    1. [初出の実例]「春の日の宇良我奈之伎(ウラガナシキ)に後れゐて君に恋ひつつ現(うつ)しけめやも」(出典万葉集(8C後)一五・三七五二)

心悲しいの派生語

うらがなし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

心悲しいの派生語

うらがなし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

こころ‐がなし・い【心悲】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]こころがな〘 形容詞シク活用 〙 胸が痛んで切ない。そぞろに感傷的な気持になる。うら悲しい。
    1. [初出の実例]「うらうらに照れる春日にひばり上り情悲(こころかなし)も独りし思へば」(出典:万葉集(8C後)一九・四二九二)

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