幾ら(読み)イクラ

デジタル大辞泉 「幾ら」の意味・読み・例文・類語

いく‐ら【幾ら】

[名]
数量値段の不明・不定なときにいう語。どれほど。どのくらい。「重さは幾らあるか」「この本は幾らですか」「幾ら経費がかかるかわからない」
(「いくらも」「いくらでも」の形で)不定ではあるが、ある程度の数量をいう。
㋐相当多い程度。どれほどでも。たくさん。「品物なら幾らもある」「幾らでも持ってきてください」
㋑(あとに打消しの語を伴って用いる)それほど多くない程度。ほとんど。「その後幾らもたっていない」「残りは幾らでもない」
接尾語的に用いて)その数値の下の位の数値を大まかにいう。「定価が一万幾らの靴」
[副](あとに「ても」「でも」を伴うことが多い)量や程度のはなはだしいさま。どれほど。どんなに。「幾ら捜しても見つからない」「幾ら子供でもわかるだろう」
[類語]1どれ程いか程いくばくいかばかり/(2たくさん多く多い数数かずかず多数数多すうた無数多量大量大勢おおぜいおびただしいいっぱいあまた多多いくらもざらにごろごろどっさりたっぷり十二分に豊富にふんだんに腐るほどごまんとわんさとしこたまたんまりうんとたんと仰山ぎょうさんなみなみ十分しっかりがっつり大挙多勢多人数大人数衆人莫大膨大巨万豊か潤沢無尽蔵山ほど盛り沢山がっぽりがっぽがっぽ多め幾多過多最多多作数知れない数知れぬ数え切れない十指に余る枚挙にいとまがない掃いて捨てるほど

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精選版 日本国語大辞典 「幾ら」の意味・読み・例文・類語

いく‐ら【幾ら】

  1. ( 「ら」は接尾語 )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 助詞「の」が付き、あるいは単独で直接に、体言につづくこともある ) いくらぐらい。どれほど。数、量、程度、値段などの不明、不定の場合に用いる。また、それらのはなはだしいことにも用いる。
    1. [初出の実例]「四の君はいくら大きさに成り給ひぬる」(出典:落窪物語(10C後)一)
    2. 「あの方が幾程(イクラ)(いい)か知れない」(出典浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)
  3. [ 2 ] 〘 副詞 〙
    1. ( 下に仮定の条件を表わす「とも」「ても、でも」「たって」「といって」などがきて ) どんなに…しても、どれほど…であっても、の意を示す。
      1. [初出の実例]「いくら巧笑美目ありとも、礼が本じゃほどに、底に礼がなうてはすぢない事ぞ」(出典:史記抄(1477)一一)
      2. 「いくら、かきさがしたっても、ありゃアしねへ」(出典:西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉一五)
    2. ( 「いくらでも」の形で用い )
      1. (イ) どんなに多くても。必要なだけたくさん。「金ならいくらでもやる」
      2. (ロ) どれほどのことがあっても、なんとしてでも、どうあっても、の意を表わすことがある。
        1. [初出の実例]「『いくらでも五郎が役はさせぬ』『殿様よりはせよとあるに、汝等がさせまいとは堪忍がならぬ』」(出典:歌舞伎・大名なぐさみ曾我(1697)上)

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