確り(読み)シッカリ

デジタル大辞泉 「確り」の意味・読み・例文・類語

しっかり【確り/×聢り】

[副](スル)
物事の基礎や構成が堅固で安定しているさま。
㋐かたく強いさま。「ロープを―(と)結ぶ」
㋑確かでゆるがないさま。「土台の―(と)した建物」
考えや人柄などが堅実で信用できるさま。「―(と)した意見の持ち主」「論旨の―(と)した論文
気持ちを引き締めて確実にするさま。「―(と)勉強する」「上級生らしく―しなさい」
身心が健全であるさま。また、意識がはっきりしているさま。「―(と)した足どり」「高齢でも頭は―している」
十分であるさま。たくさん。皮肉をこめていうこともある。「今のうちに―(と)食べておく」「金を―ためこんでいる」
相場が上昇傾向にあるさま。
[類語](1がっしりがっちりしかがちっと固いきついぎゅっときゅっとかっちりひしとぎゅうきゅうきゅうぎゅうぎゅうぴたり事物について)堅固けんご強固強堅堅牢けんろう丈夫頑丈磐石ばんじゃく牢固ろうこ確固/(2)(3きちんとちゃんとしゃんときちんきちんきっちりかっちりがっちりきりっと規則的几帳面整然忠実忠実まめまめしいきりきりしゃんきりり甲斐甲斐しいきびきびてきぱきしゃきしゃきはきはきすいすい忠実まめ忠実まめやか小忠実こまめ手忠実てまめ足忠実あしまめ筆忠実ふでまめ骨身を惜しまず規則正しい手取り足取りまじめ大まじめまじめくそまじめ愚直四角四面誠実篤実真摯至誠信実篤厚質実堅実堅気かたぎ実直謹厳生一本一本気勤勉律儀義理堅い義理立て良心的(気持ち、性格について)気丈きじょう気丈夫しんが強い・強い気強い気骨気概骨っ節反骨心丈夫闘魂覇気闘志胆力度胸糞度胸士気根性負けじ魂負けん気利かん気勝ち気強気向こう意気鼻っ柱鼻っぱし負けず嫌いファイトガッツたくましい/(4しゃきっとしゃっきりしゃんと確か/(5たっぷりたくさんたんとごまんとわんさとうんとふんだんなみなみ一杯十分がっつり思い切り思う存分夥しい多く数数かずかず多数数多すうた無数多量大量大勢おおぜい大挙多勢多人数大人数衆人莫大膨大巨万豊か潤沢無尽蔵山ほど盛り沢山がっぽりがっぽがっぽ多め幾多過多最多多作あまた多多いくらもいくらでもざらにごろごろどっさり十二分に豊富に腐るほどしこたまたんまり仰山ぎょうさん数知れない数知れぬ数え切れない十指に余る枚挙にいとまがない掃いて捨てるほど

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「確り」の意味・読み・例文・類語

しっかり【確・聢】

  1. 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
  2. 物事・状態が堅固で、また、たしかなさまを表わす語。
    1. (イ) 土台や構成が堅固で安定しているさま。「会社の経営基盤がしっかりしている」 〔詞葉新雅(1792)〕
      1. [初出の実例]「しっかりとした商人のひとりむすこ」(出典:洒落本・辰巳婦言(1798)昼遊の部)
    2. (ロ) 記憶・判断の仕方が確実であるさま。
      1. [初出の実例]「しっかり顔も覚へていれど」(出典:歌舞伎・お染久松色読販(1813)中幕)
    3. (ハ) 人の技量・性質・考え方などが堅実でたよれるさま。また、倹約家、一徹者を軽くあざけっていう際にも用いる。〔和英語林集成(初版)(1867)〕
      1. [初出の実例]「男といふものは、もっと仡然(シッカリ)としてもらひたかった」(出典多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後)
    4. (ニ) 心がひきしまっているさま。意識が確かなさま。
      1. [初出の実例]「しッかり しっかりせいなと云也」(出典:浪花聞書(1819頃))
      2. 「『しっかりせよ』と抱き起し」(出典:軍歌・戦友(1905)〈真下飛泉〉)
    5. (ホ) かたくついて離れなくするさま。かたく。がっちり。
      1. [初出の実例]「丹次郎の顔をながめて、釣さがるやうに左の手に両方の手をかけて、しっかりと引れながら」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)後)
      2. 「始から確乎(シッカリ)握った袂を」(出典:婦系図(1907)〈泉鏡花〉前)
    6. (ヘ) 仕事・勉強などを熱心・着実に行なうさま。
      1. [初出の実例]「明日迄は延(のば)されぬけふの細布、しっかりと受け取りました」(出典:浄瑠璃日高川入相花王(1759)二)
      2. 「勉強をしなけりゃあ成らないよ、しっかり遣ってお呉れ」(出典:わかれ道(1896)〈樋口一葉〉中)
    7. (ト) 物の関係・度合いなどが、はっきりとしているさま。
      1. [初出の実例]「宇治山の僧喜撰は、詞がおくふかうて、そして始めとはてとのつりあひがしっかりとせぬ」(出典:古今集遠鏡(1793)一)
    8. (チ) 商取引で、市場に活気があり、相場が上がり気味なさま。⇔ぼんやり。〔商業経済辞典(1938)〕
  3. 物が豊富であったり、状態がはなはだしかったりするさまを表わす語。
    1. (イ) たくさんあるさま。ぎっしり。十分。
      1. [初出の実例]「旦那もやぼじゃないしっかりと酒てを下さるはしれた事だ」(出典:洒落本・契国策(1776)南方)
      2. 「定めて御馳走は悉皆(シッカリ)あるだらう」(出典:人情本・清談若緑(19C中)初)
    2. (ロ) 程度のはなはだしいさま。ひどく。まったく。すっかり。
      1. [初出の実例]「エエ、嘘だ嘘だ。しっかり嘘だ」(出典:歌舞伎・桜姫東文章(1817)大詰)
  4. 毒虫などにさされて痛むさま、また、湯などの熱いさまを表わす語。〔かた言(1650)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の確りの言及

【取引所】より

…そういう状態の株を〈しこり玉〉という。 確り(しつかり)相場が上昇している状態をいう。その度合の少ない場合を〈小確り〉という。…

※「確り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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