ざら(読み)ザラ

デジタル大辞泉 「ざら」の意味・読み・例文・類語

ざら

[名]
ざら紙」の略。
ざらめ糖」の略。
ばら銭。
「夜盗ども見ろと両手で―を寄せ」〈柳多留・五〉
[形動][文][ナリ]
いくらでもあって、珍しくないさま。「その程度作品ならざらにある」
むやみやたら。
「それは勿論―に人に見せられるものでない」〈福沢福翁自伝
[類語]沢山多く多い数数かずかず多数数多すうた無数多量大量大勢おおぜいおびただしいいっぱいあまた多多いくらもいくらでもごろごろどっさりたっぷり十二分に豊富にふんだんに腐るほどごまんとわんさとしこたまたんまりうんとたんと仰山ぎょうさんなみなみ十分しっかりがっつり大挙多勢多人数大人数衆人莫大膨大巨万豊か潤沢無尽蔵山ほど盛り沢山がっぽりがっぽがっぽ多め幾多過多最多多作多め数知れない数知れぬ数え切れない十指に余る枚挙にいとまがない掃いて捨てるほどもろもろ広い幅広い手広い広範広範囲多方面多角多面多岐様様各種種種諸種いろいろ多様多様化多面的多種多種多様多彩いろんなとりどり色とりどり百般万般諸般多元多元的多角的横断的複眼的おしなべて全般に一般総じて概しておおむね大概普通通例通常一体に総体およそあまね雑多よろず各人各様十人十色千差万別マルチ事事物物種種雑多各様種種くさぐさ玉石混淆こんこう凡百ぼんぴゃく百態百事百千万端各般数次幾度等等諸相諸物あれこれ何やかや何だかんだ何のかの何くれ何くれとなくあれやこれやごちゃごちゃあの手この手エトセトラ

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精選版 日本国語大辞典 「ざら」の意味・読み・例文・類語

ざら

  1. 〘 名詞 〙
  2. ざらざらしていること。また、そのもの。
  3. ざらがみ(━紙)」の略。
    1. [初出の実例]「馴染はざら一面、手紙のやりとりは反古の取かへっこ」(出典:にごりえ(1895)〈樋口一葉〉二)
  4. ざらめとう(粗目糖)」の略。
  5. ばら銭。小銭(こぜに)
    1. [初出の実例]「夜盗ども見ろと両手でざらを寄せ」(出典:雑俳・柳多留‐五(1770))
  6. ( 形動 ) 多くあって珍しくないさま。おしなべてあるさま。ありふれているさま。
    1. [初出の実例]「御給仕の女中はざらにすき通り」(出典:雑俳・川柳評万句合‐宝暦一二(1762)信三)
    2. 「子供を東京の親戚へ預けたりするのがざらにあるんだし」(出典:蓼喰ふ虫(1928‐29)〈谷崎潤一郎〉五)
  7. ( 形動 ) 程度や範囲に限定がないさま。むやみやたら。
    1. [初出の実例]「手のとどくだけくめん十めんしてざらに居つづけに置たり」(出典:洒落本・五臓眼(1789‐1801)六)
    2. 「それは勿論ザラに人に見せられるものでない」(出典:福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉欧羅巴各国に行く)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のざらの言及

【峠】より

…三伏(さんぷく)峠(2580m)は塩見岳の南西にある赤石山脈の主山稜にある日本の最高所の峠で,1875年に開かれた。針ノ木峠(2541m),ザラ峠(2353m)は,それぞれ後立山,立山山脈中の鞍部であり,1584年佐々成政の両峠越えで名高い。上高地西の中尾峠(2080m),東の徳本(とくごう)峠(2135m)は天保年間(1830‐44)から飛驒街道が通っていたところであり,梓川沿いの道路が1933年開通するまでは上高地への入山者はたいていここを通った。…

※「ざら」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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