無尽蔵(読み)ムジンゾウ

デジタル大辞泉 「無尽蔵」の意味・読み・例文・類語

むじん‐ぞう〔‐ザウ〕【無尽蔵】

[名・形動]
いくら取ってもなくならないこと。また、そのさま。「無尽蔵な(の)太陽エネルギー
広くて、尽きることのない徳を包含する蔵。すなわち、仏教のこと。
[類語]尽きせぬ無尽無限多いたくさんいっぱい夥しい多く数数かずかず多数数多すうた無数多量大量大勢おおぜい大挙多勢多人数大人数衆人莫大膨大巨万豊か潤沢山ほど盛り沢山がっぽりがっぽがっぽ多め幾多過多最多多作あまた多多いくらもいくらでもざらにごろごろどっさりたっぷり十二分に豊富にふんだんに腐るほどごまんとわんさとしこたまたんまりうんとたんと仰山ぎょうさんなみなみ十分しっかりがっつり多め数知れない数知れぬ数え切れない十指に余る枚挙にいとまがない掃いて捨てるほど

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精選版 日本国語大辞典 「無尽蔵」の意味・読み・例文・類語

むじん‐ぞう‥ザウ【無尽蔵】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。尽きることのない財宝を納める蔵(くら)。無限の功徳を有することをたとえていう。〔大乗義章‐二〕
  3. 仏語。寺に設けられた庶民のための金融機関信者の布施した財物を蓄えて貸し出したもの。〔釈氏要覧‐下〕
  4. ( 形動 ) 取っても取っても尽きないこと。無限にあること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「取之造物者之無尽蔵而無禁」(出典:峨眉鴉臭集(1415頃)翠屏囲処叙)
    2. 「是天地鬼神の造化をなして無尽蔵なる道理なり」(出典:集義和書(1676頃)六)

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故事成語を知る辞典 「無尽蔵」の解説

無尽蔵

無限にあること。

[使用例] 筆をとって書こうとすれば、書く種は無尽蔵にあるような心持もするし、〈略〉もう何を書いてもつまらないのだというのんかんがえも起ってきた[夏目漱石硝子戸の中|1915]

[由来] 仏教で、尽きることがない仏の教えを指して使われることばから。たとえば、「華厳経さつじゅうじんぞうほん」では、仏教者としての実践を支えるあり方として、信じること、教えをよく聞くこと、施すことといった一〇の「無尽蔵」が挙げられています。

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改訂新版 世界大百科事典 「無尽蔵」の意味・わかりやすい解説

無尽蔵 (むじんぞう)
wú jìn cáng

仏教の教義では,尽きることのない広大な徳を包含するとの意味であるが,中国では一般には寺院に置かれた金融機関を指す。信者が寄進した金銭を積み立てて貸し出し,その利息を寺院の維持費等に充てるもので,南北朝時代から行われた。とくに唐代に長安にあった三階教の化度寺に置かれた無尽蔵院は有名である。後世では長生庫,解庫などとも呼ばれて,いっそう盛んになり,その収益は寺院の重要な財源であった。
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