見入る(読み)ミイル

デジタル大辞泉 「見入る」の意味・読み・例文・類語

み‐い・る【見入る/魅入る】

[動ラ五(四)]
(見入る)気をつけて見る。じっと見つめる。また、見とれる。「合格者発表の掲示に―・る」
外から中を見る。のぞき込む。
「家ノ奥ヲ―・ル」〈和英語林集成
(「魅入る」と書き、多く受身の形で用いる)執念ぶかくとりつく。たたる。「死霊に―・られる」
[動ラ下二]
2に同じ。
「こなたに几帳きちゃう立てたれど、側の方より―・るれば」〈落窪・一〉
1に同じ。
「何か来たるとも―・れねば」〈かげろふ・上〉
面倒を見る。目をかける。
「わらはべを、―・れらうたがりて」〈・二八〉
3に同じ。
「荒れたりし所に住みけむものの我に―・れけむ便りに」〈夕顔
[類語]見とれる見ほれる眺める眺め入る見る注目注視刮目目配り凝視熟視注視目撃着目着眼直視正視見遣みや見詰める見据えるにらむ目に留まる目を留める目を配る目を注ぐ目を凝らす目を付ける目を向ける目を呉れる視線を注ぐ目を遣る目にするまじまじじっとじろじろじろりきょろりぎょろりきょときょときょろきょろぎょろぎょろしげしげつくづくはたはった明視がん熟覧細見嘱目瞠若どうじゃく瞠目どうもくめつすがめつの目たかの目のみ取りまなこ視一視目する見張る見澄ます虎視虎視眈眈たんたん目を据える瞳を凝らす瞳を据える目を奪われる目を輝かす目を光らす目を転ずる目が行く目を皿にする

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「見入る」の意味・読み・例文・類語

み‐い・る【見入・魅入】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
    1. じっと見る。一心に見る。われを忘れてみとれる。
      1. [初出の実例]「きこうじたる心ちなれど、夜のふくるもしらずみいりてあれば」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
    2. ( 「魅入」とも書く ) 執念をかける。魔性のものがとりつく。
      1. [初出の実例]「泣ておののく萩の小女〈昨雲〉 妻恋る花馴駒の見入たる〈似春〉」(出典:俳諧・武蔵曲(1682))
      2. 「吾輩は茫然としてこの光景に魅入られた許り立ちすくんで居た」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉七)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 [ 一 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「海の中の龍王の、いといたうものめでするものにて、みいれたるなりけり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)須磨)
  3. [ 3 ] 〘 他動詞 ラ行下二段活用 〙
    1. 外から内を見る。奥まで見やる。のぞく。
      1. [初出の実例]「秋のよふけてものよりまうできけるついでにみいれければ」(出典:古今和歌集(905‐914)哀傷・八五三・詞書)
      2. 「荒れたる門にたち隠れてみいるれば」(出典:大和物語(947‐957頃)一七三)
    2. 目をつける。心をとめて見る。関心を持って見る。
      1. [初出の実例]「鳶・烏などのうへは、見いれきき入れなどする人、世になしかし」(出典:枕草子(10C終)四一)
    3. 心をいれて世話する。目をかける。
      1. [初出の実例]「かくて侍らんよりも、さてしもこそ、なかなかにみいるる人なくて侍らんは、ますます堪へ難からめ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)

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