眺める(読み)ナガメル

デジタル大辞泉 「眺める」の意味・読み・例文・類語

なが・める【眺める】

[動マ下一][文]なが・む[マ下二]
視野に入ってくるもの全体を見る。のんびりと遠くを見る。広く見渡す。「星を―・める」「田園風景を―・める」
じっと見つめる。感情をこめて、つくづくと見る。「しげしげと人の顔を―・める」
かたわらで成り行きを見る。静観する。「状況を―・める」
物思いにふけりながら、見るともなくぼんやり見る。
夕月夜のをかしきほどに出だし立てさせ給ひて、やがて―・めおはします」〈桐壺
[類語]見やる望む眺めやる見る見入る見とれる見ほれる眺め入る注目注視刮目目配り凝視熟視目撃着目着眼直視正視見詰める見据えるにらむ目に留まる目を留める目を配る目を注ぐ目を凝らす目を付ける目を向ける目を呉れる視線を注ぐ目を遣る目にするまじまじじっとじろじろじろりきょろりぎょろりきょときょときょろきょろぎょろぎょろしげしげつくづくはたはった明視がん熟覧細見嘱目瞠若どうじゃく瞠目どうもくめつすがめつの目たかの目のみ取りまなこ視一視目する見張る見澄ます虎視虎視眈眈たんたん見遣る目を据える瞳を凝らす瞳を据える目を奪われる目を輝かす目を光らす目を転ずる目が行く目を皿にする

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「眺める」の意味・読み・例文・類語

なが・める【眺】

  1. 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]なが・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
  2. 物思いなどに沈みながら、ある一点や戸外などをぼんやりと見やる。
    1. [初出の実例]「しばし河のほとりにおりゐて、思ひやればかぎりなく遠くも来にける哉と思ひわびて、ながめをるに」(出典:古今和歌集(905‐914)羇旅・四一一・詞書)
  3. ぼんやりと見やりながら、物思いにふける。
    1. [初出の実例]「思ふかひなき世なりけり年月をあだにちぎりて我や住まひし、といひてながめ居り」(出典:伊勢物語(10C前)二一)
  4. なにもしないで、ただぼんやりと見ている。
    1. [初出の実例]「余(あまり)にながめ居て、御方(みかた)の弱り為(し)出したらんも由(よし)なし」(出典太平記(14C後)八)
  5. 感情をこめて、あるものを見つめる。また、景色や美しいものなどを、観賞的な態度で見やる。
    1. [初出の実例]「しばらく車を立て四方のけしきをながめうずるにて候」(出典:車屋本謡曲・車僧(1514頃))
  6. 遠くにあるものや、ある距離をおいたところを見やる。
    1. [初出の実例]「三上の嶽を眺て八洲河を渡る」(出典:海道記(1223頃)京より大岳)
  7. よくよく見つめる。つくづく見つめる。
    1. [初出の実例]「帝は希代の珍魚なりと暫く熟視(ナガメ)玉ひしが」(出典:暴夜物語(1875)〈永峰秀樹訳〉漁夫の伝続)

眺めるの語誌

→「ながめ(眺)」の語誌

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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