(読み)キン

デジタル大辞泉 「近」の意味・読み・例文・類語

きん【近】[漢字項目]

[音]キン(漢) コン(慣) [訓]ちかい
学習漢字]2年
キン
ある場所にちかい。ちかづく。ちかい所。「近郊近所近接近隣遠近至近接近側近卑近付近遠交近攻
現在にちかい。ちかごろ。「近況近近近時近日近代近年最近輓近ばんきん
人間関係などがちかい。「近縁近親昵近じっきん親近
その物と似ている。「近似
〈コン〉ちかい。「近衛府こんえふ右近
〈ちか(ぢか)〉「近近近道手近間近身近
[名のり]ちか・とも・もと
難読近江おうみ遠近おちこち近衛このえ

こん【近/金】[漢字項目]

〈近〉⇒きん
〈金〉⇒きん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「近」の意味・読み・例文・類語

ちかく【近】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 形容詞「ちかい」の連用形から )
    1. ちかいところ。近辺
      1. [初出の実例]「ちかくへおよりやらぬやうにしてくれさしめ」(出典:虎明本狂言・武悪(室町末‐近世初))
    2. 近い時間。このごろ。ちかごろ。最近。
      1. [初出の実例]「五郎も、酌に手をかけ、『ちかくもまゐらぬ御酌に、時致たたん』とゆるぎたつ」(出典:曾我物語(南北朝頃)六)
    3. ( 「ぢかく」とも。数詞に付いて ) ほぼその程度。ほぼその分量。また、ほぼその時期。
      1. [初出の実例]「玩具としては高過ぎる四円近(ヂカ)くの代価を払って」(出典:明暗(1916)〈夏目漱石〉四六)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 遠からぬうちに。もうじき。まもなく。「近く結論が出るはずだ」

ちこうちかう【近】

  1. ( 形容詞「ちかい」の連用形「ちかく」のウ音便 ) 近く寄りなさいの意で、身分の高い武家などが下の者に対していう。多く、「近う近う」の形で感動詞的に用いる。
    1. [初出の実例]「氏時声かけヤレ待兼ねし村上、サアサア近う、近うに額際、つき合ふばかりに座をしめて」(出典:浄瑠璃・本朝二十四孝(1766)一)

きん【近】

  1. 〘 名詞 〙 現在より少し近い過去。最近。「近…(年)」のように用いられる。
    1. [初出の実例]「近四五十年前より、世界に金鉱を発見せる数よりは」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)

ちかし【近】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙ちかしい(近)

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普及版 字通 「近」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

(旧字)
8画

[字音] キン・コン
[字訓] ちかい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は斤(きん)。〔説文二下に「附くなり」とあり、附近の意。もと場所的に接近する意。のち側近・卑近、また近時・近年のように関係や時間の意に用いる。〔詩、大雅高〕「(こ)の王舅」は(き)の誤字で、助詞。「往けや王舅」の意である。

[訓義]
1. ちかい、ちかいところ、ちかづく。
2. てぢか、したしむ、なれる。
3. ちかごろ、このごろ。

[古辞書の訓]
名義抄 チカシ・チカヅク・コノゴロ・サイツゴロ・ツク・マス/ セマリチカヅケリ/曾 サイツコロ 〔字鏡集〕 ホノホノ・コノコロ・チカヅク・サイツコロ・オヨボス・ツク・マス・チカシ

[熟語]
近愛近姻近衛・近遠・近懐・近畿・近郷・近況・近局・近近・近・近古・近午・近攻・近功・近幸・近郊・近歳近作・近思近視近支・近似・近事・近侍・近時・近者・近習近什・近状・近臣・近親・近信・近世・近戚・近前・近属・近体・近代・近地・近比・近鄙・近辺・近密近来・近隣
[下接語]
意近・遠近・貴近・狎近・最近・在近・至近・昵近・近・習近・親近・枢近・戚近・接近・近・浅近・側近・篤近・輓近・卑近・鄙近・付近・附近・傅近・嬖近・傍近

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