乗せる(読み)ノセル

デジタル大辞泉 「乗せる」の意味・読み・例文・類語

の・せる【乗せる/載せる】

[動サ下一][文]の・す[サ下二]
物の上に置く。「荷物網棚に―・せる」「子供をひざに―・せてあやす」
乗り物の上、または中に人や物を置く。「客を―・せたタクシー」「トラックに引っ越し荷物を―・せる」
音や調子に合わせる。「ピアノ調べに―・せて歌う」
物事が順調にいくようにする。勢いにまかせて進める。「計画を軌道に―・せる」
仲間として加える。参画する。「その仕事一口―・せて下さい」
思惑どおりに相手を動かす。計略にかける。だます。「口車に―・せる」「まんまと―・せられる」
物事を、ある手段経路によって運ぶ。「ニュースを電波に―・せる」「午後の便に―・せる」「販売ルートに―・せる」
(載せる)新聞・雑誌などの刊行物に掲載する。また、帳簿などに記載する。「広告を―・せる」「名簿に―・せる」
[下接句]口に乗せる口車に乗せる俎上そじょうに載せる手車に乗せるまないたに載せる
[類語](2乗る飛び乗る乗っかる乗り移る乗り回す乗り捨てる同乗移乗分乗相乗り添乗便乗乗車/(8クオーテーション孫引き引き合い引用運用使用利用活用所用盗用悪用転用流用通用愛用援用応用逆用供用誤用充用試用常用善用適用乱用引証引例引拠引き句引き写し転載掲載登載所載満載連載訳載コピーアンドペースト引き写す使う用いるかす役立てる用立てる利する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「乗せる」の意味・読み・例文・類語

の・せる【乗・載】

  1. 〘 他動詞 サ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]の・す 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙 のるようにさせる。
  2. 人などを、乗物に乗るようにさせる。また、それらに物を積む。
    1. [初出の実例]「素き象に載(ノセ)て、還りて紫震に献(たてまつ)らむ」(出典:大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃))
  3. 人や物を、台や棚などの上に置く。上げる。
    1. [初出の実例]「汝我を床に(ノセ)て、往きて仏の所に至さしむべし」(出典:東大寺本大般涅槃経平安後期点(1050頃))
  4. ( 載 ) 公の記録や刊行物の紙面にのるようにする。掲載する。記載する。登録する。「戸籍にのせる」「雑誌にのせる」
    1. [初出の実例]「或は地に暑湿多しと書(しる)し、或は俗仁慈を好むと載(ノセ)たり」(出典:大唐西域記長寛元年点(1163)一)
  5. ことばたくみにもちかけて、こちらの思うつぼにはめる。おだてたりして、相手をひきつける。「おだてにのせる」「口車にのせる」
    1. [初出の実例]「やうやうと云ふ声を言ふ者有。のせたる心より出づ」(出典:申楽談儀(1430)声のこと)
  6. たくらみごとの仲間に入れる。参加させる。「一口のせる」
  7. 調子を合わせる。調和させる。「リズムにのせる」
    1. [初出の実例]「愁思有心にて前句を乗たる也」(出典:俳諧・初懐紙評註(1686))
    1. (イ) 取引相場で、前からの売買玉にさらに売り増し買い増しをする。
    2. (ロ) 米相場で、利になった時に米を売買する。
      1. [初出の実例]「利方に成たる時売事をのせるとも、利のせ共言」(出典:稲の穂(1842‐幕末頃))
  8. 近世上方語で、進める。〔新撰大阪詞大全(1841)〕
  9. 飲む、食うことをいう、人形浄瑠璃社会の隠語
    1. [初出の実例]「ナントせい(〈注〉酒)をぜかし(〈注〉止)て、しぶたら(〈注〉茶)をのせ(〈注〉呑)ようぢゃアねへか」(出典:滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)下)
  10. 進行する流れに乗るようにさせる。物事が滞りなく運ぶようにする。「仕事をスケジュールに乗せる」

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