ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「太宗[唐]」の意味・わかりやすい解説
太宗[唐]
たいそう[とう]
Tai-zong; T`aitsung
[没]貞観23(649).5.26. 長安,翠微宮
中国,唐の第2代皇帝 (在位 626~649) 。本名李世民。北朝以来の武将の名門出身。煬帝 (ようだい) の失政で隋朝がくずれかかると,20歳のとき父李淵 (→高祖) らと太原で挙兵。長安を占領して唐朝を創立 (618) ,秦王に封じられ,尚書令となった。そのすぐれた軍略により割拠する群雄平定に活躍。兄建成との対立から玄武門のクーデターを敢行 (→玄武門の変) ,競争者を殺して覇権を確立。父から位を譲られ武徳9 (626) 年即位,翌年貞観と改元。 23年の治世を通じ名相房玄齢,杜如晦 (とじょかい) ,魏徴,名将李靖,李勣らをよく用い,民生の安定をはかり,律令を整備し,『五経正義』を欽定するなど文治に努め,外は東突厥以下を制圧,「貞観の治」をうたわれた。
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