溺れる(読み)オボレル

デジタル大辞泉 「溺れる」の意味・読み・例文・類語

おぼ・れる【溺れる】

[動ラ下一][文]おぼ・る[ラ下二]《「おぼ(溺)ほる」の音変化》
泳げないで死にそうになる。また、水中に落ちて死ぬ。「川で―・れる」
理性を失うほど夢中になる。心を奪われる。ふける。「酒色に―・れる」
[補説]書名別項。→溺レる
[類語](2ふける凝る耽溺たんでき惑溺いかれるめろめろぞっこん首ったけのめり込む入れ込む夢中血道を上げる骨抜き執心頓着執着固執偏執我執とらわれる深入りはまるはまり込む身を焦がす狂おしい物狂おしい入れあげる病み付きとりこ心酔心ここにあらず心を奪う悩ましい熱狂的悶悶もんもん惑乱切ないやりきれない思い乱れる思い悩むむな苦しい息苦しい重苦しい苦痛る瀬無い憂さ憂い不如意堅苦しい気詰まり忍びないエキセントリック逆上のぼせるのぼせるアブノーマル常軌を逸する乱心取り術無い辛酸をなめる心を痛める艱難かんなん思い煩う

おぼれる【溺レる】[書名]

川上弘美短編小説同作を表題作とする短編小説集は平成11年(1999)刊行で、他に「さやさや」「百年」などの作品収録。平成12年(2000)、第11回伊藤整文学賞および第39回女流文学賞を受賞

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「溺れる」の意味・読み・例文・類語

おぼ・れる【溺】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]おぼ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 水中に落ちて泳げずに死にそうになる。水中に沈んで死ぬ。おぼほる。
    1. [初出の実例]「故(かれ)、今に至るまで其の溺(おぼれ)し時の種々(くさぐさ)の態(わざ)、絶えず仕へ奉るなり」(出典古事記(712)上)
  3. あることに熱中して心を奪われる。ふける。くれる。はまる。
    1. [初出の実例]「殿はただ涙におぼれてぞ過(すぐ)させ給」(出典:栄花物語(1028‐92頃)花山たづぬる中納言)
  4. うすぼんやり見えたり、または聞こえたりする。かすむ。ほける。
    1. [初出の実例]「帰りこん道もおぼれておもほえず今日の別れを惜しむ涙に〈隆源〉」(出典:堀河院御時百首和歌(1105‐06頃)雑)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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