(読み)あやつり

  • あやつ・る
  • そう
  • そう サウ
  • そう〔サウ〕
  • みさお
  • みさお みさを
  • みさお〔みさを〕
  • 作品名
  • 漢字項目

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

操人形芝居の浄瑠璃三味線と人形の3つの要素で成り立つ。平安時代に,傀儡師 (かいらいし) と称する漂泊の芸人が操作した人形が,次第に発達して江戸時代初期に浄瑠璃や説経節と結びつき,主として京坂地方に発展した。その初期は,古浄瑠璃時代ともいうべき時期で,17世紀末から 18世期初めの竹本座や豊竹座の創設までは義太夫節への統一に向う浄瑠璃各派の勃興期であった。近世操芝居が完成するのは,貞享1 (1684) 年大坂道頓堀西に竹本義太夫が開いた竹本座からである。近松門左衛門の作品に義太夫の語り,辰松八郎兵衛なる人形遣い名人がそろって,18世紀前半はその全盛時代であった。

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デジタル大辞泉の解説

[音]ソウ(サウ)(呉)(漢) [訓]みさお あやつる
学習漢字]6年
手先でうまく扱う。「操業操觚(そうこ)操作操車操縦操船操舵
からだを動かし鍛えること。「操練体操
心構えをしっかりもつこと。みだりに変えない志。「操守志操情操節操貞操徳操
[名のり]あや・とる・みさ・もち
[名・形動]《不変の美や気高さなどをいうのが原義》
自分の意志や主義・主張を貫いて、誘惑や困難に負けないこと。節操。「信徒としての
(女性の)貞操。「の固い妻」
上品で、みやびやかなこと。また、そのさま。
「うとき人に見えば、おもてぶせにや思はむと憚り恥ぢて、―にもてつけて」〈帚木
常に変わらないこと。また、そのさま。
「深き山の本意(ほい)は、―になむ侍るべきを」〈・東屋〉
[補説]作品名別項。→
みさお。節操。貞操。
「謹て―を全うし」〈織田訳・花柳春話

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

古く「風声、風流、気調、雅、美、麗、工」などを「みさお」と訓(よ)んだ。原義は「御青(みさお)」であり、霊妙な青さを表す語であった。そこで、つねに青さを保つ常緑樹のような不変の美を意味するようになったらしい。

 また、物事がつねに変わらないこと、心が周囲の状況に影響されないこと、固く志操を守ること、そしてより限定的に女性の貞操をさす用法が生じた。古語では、超俗の美、精神や行動の典雅をいう場合があり、考えや態度が変わらないところから、平静なようす、なにげないさまをもいった。「操つくる」とは平静を装うこと、「操をたてる」とは節操や貞操を守る意、「操を破る」とは節操を曲げ貞操をけがす意である。

[兼築信行]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (動詞「あやつる(操)」の連用形の名詞化)
① 操ること。巧みに扱うこと。また、そのしかけ。からくり。
※とりかへばや(12C後)上「はかなくひきわたす筆のあやつりまで、世にたぐひなく」
※仮名草子・浮世物語(1665頃)一「賽に操(アヤツリ)を仕出し、人を抜きて金銀を取る事」
※花鏡(1424)万能綰一心事「棚の上の作り物のあやつり、〈略〉まことには動く物にあらず」
※浄瑠璃・堀川波鼓(1706頃か)下「妻敵討咄(はなし)の通まっすぐにいへばいはるる舌三寸の、あやつりの御評判とぞ成にける」
〘他ラ五(四)〙
① 巧みに操作する。うまく取り扱う。また、言葉を巧みに使う。
※朝光集(995頃)「織るとはた思はざりけり唐錦あやつる声の音とこそ聞け」
※門(1910)〈夏目漱石〉一四「非常に能弁な京都言葉を操(アヤツ)る四十許の細君がゐて」
② 楽器をひく。楽器をうまく奏する。
※白氏文集天永四年点(1113)三「始めて楽懸に就きて雅音を操(アヤツル)
③ 糸をつけ、物陰から引いて、その物を動かす。
※看聞御記‐応永二八年(1421)七月一五日「茶屋を立。其屋に人形〈喝食〉、金打あやつりて金を打舞」
※中華若木詩抄(1520頃)上「此傀儡は、木を刻んで、それを糸にてあやつりて」
④ 人を上手に扱う。特に、裏面で、人を自分の思う通りに動かす。陰で糸を引く。〔日葡辞書(1603‐04)〕
〘名〙 みさお。貞操。節操。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉二〇「妾謹て操(サウ)を全ふし」 〔漢書‐匡衡伝〕
〘名〙
① (形動) 世俗を超越して、人柄、行ないなどが、上品でみやびやかなこと。また、そのさま。
※霊異記(810‐824)上「大倭の国宇太の郡漆部の里に風流(ミサヲ)ある女有り〈興福寺本訓釈 風流 二合美佐乎〉」
② (形動) 常に変わらないこと。平常のさまであること。また、特に、志操が変わらないこと。また、そのさま。操守。
※源氏(1001‐14頃)東屋「深き山の本意は、みさほになむ、侍るべきを」
※山家集(12C後)中「なかなかに馴るるつらさに比ぶれば疎き怨みはみさほなりけり」
③ 節操。特に、女性の貞操。
※読本・雨月物語(1776)蛇性の婬「ひたすら吾貞操(ミサホ)をうれしとおぼして」
[補注]古くは「風声・風流」などさまざまな漢字を当てていたが、②や③の意が生じてから「操」が多くなる。

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