文化文政時代(読み)ぶんかぶんせいじだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

文化文政時代
ぶんかぶんせいじだい

化政期ともいう。江戸時代末期の文化~文政年間 (1804~30) をさし,江戸幕府 11代将軍徳川家斉が,将軍職を家慶に譲ったのちも大御所として幕府の実権を握っていた時期である (→大御所時代 ) 。商品流通が進み,生活は豪奢放恣となって空前の繁栄を示したが,幕府や諸藩の財政は窮乏し,外圧も次第にきびしくなり,幕藩体制の矛盾は一層深化していた。政治,経済,文化の中心は上方から江戸に移り,町人文化が栄えた。遊芸,芝居,遊里,絵画,通俗小説の流行は一世を風靡し,遊蕩的気分が強く,粋 (いき) に象徴される世界や虚無的風潮を生じた。 (→化政文化 )  

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百科事典マイペディアの解説

文化文政時代【ぶんかぶんせいじだい】

化政期とも。江戸時代の文化文政年間(1804年―1830年)を中心とした時代。11代将軍徳川家斉治世で,1837年将軍職を家慶(いえよし)に譲ってからも家斉は大御所として実権を握っていたため,家斉一代の治世を大御所時代とも呼んだ。すでに外国船が訪れ開国を要求しはじめていたが,商業が発展し幕藩体制最後の安定期であったため,江戸を中心にはなやかな町人文化が栄えた。曲亭馬琴為永春水十返舎一九らの読本人情本滑稽(こっけい)本や,鈴木春信喜多川歌麿らの浮世絵が流布し,歌舞伎では4世鶴屋南北が《東海道四谷怪談》などで大胆な風俗描写を試み,舞台技巧に新機軸を打ち出した。→元禄文化
→関連項目日本

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世界大百科事典 第2版の解説

ぶんかぶんせいじだい【文化文政時代】

江戸時代後期,第11代将軍徳川家斉(いえなり)治下の文化・文政年間(1804‐30)を中心とした時代。略して化政期ともいう。また,家斉が1837年(天保8)将軍職を家慶(いえよし)に譲り西の丸に退隠した後も,大御所と称して実権を握っていたため,将軍時代を含めた家斉一代の治世を大御所時代とも呼ぶ。
【時代の特色】
 天明(1781‐89)から文化・文政をはさんで天保(1830‐44)にかかる約半世紀は,幕藩体制の解体期であり,太平の世相を謳歌(おうか)しながら,実は封建制の衰退が一段と深刻化した時期であった。

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大辞林 第三版の解説

ぶんかぶんせいじだい【文化文政時代】

徳川一一代将軍家斉治下の文化・文政年間(1804~1830)を中心とした時代。幕藩体制の動揺期に当たるが、表面的には平穏な状態が続いた。幕政の綱紀が緩み、江戸を中心に太平の享楽的風潮がみなぎり、町人文化が栄えた。人情本(為永春水)・滑稽本(十返舎一九・式亭三馬)・読本(曲亭馬琴)・歌舞伎(台本作者に鶴屋南北)・狂歌(大田南畝)・浮世絵(北斎・広重)・肖像画(渡辺崋山)などにすぐれた作者が現れ、活躍した。化政期。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ぶんかぶんせい‐じだい ブンクヮブンセイ‥【文化文政時代】

徳川一一代将軍家斉治下の、特に文化・文政年間(一八〇四‐三〇)を中心とした時代。全国的に商品経済が展開し、各地に新興の都市を中心とする農民的な市場が形成された。新旧の市場勢力が交替し、農村にも貨幣経済が浸透して階層分化が進んだ。表面的には平穏で江戸を中心に町人文化が栄えた。読本(滝沢馬琴)、人情本(為永春水)、滑稽本(十返舎一九・式亭三馬)、浄瑠璃・歌舞伎(脚本作家に鶴屋南北)、狂歌(大田蜀山人)、浮世絵(春信・歌麿・写楽)、絵画(池大雅・円山応挙)などすぐれた作家を輩出。が、江戸初期の上方中心に栄えた元祿文化に比して、綱紀もゆるみ屈折した町人の心情が反映して、風俗頽廃の享楽的傾向が強い。化政時代。化政期。

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世界大百科事典内の文化文政時代の言及

【徳川家斉】より

…家斉の大奥における性生活の特質を浮彫にしている。文化文政時代はまた,江戸を舞台とする町人階級の文化を成熟させたが,それは地方に波及し,郷土色豊かな郷土文化が形成されたのは民衆の活力を物語るものである。 幕藩制の危機は19世紀30~40年代の天保期に入るといちだんと進行し,〈内憂(国内的危機)〉と〈外患(対外的危機)〉とが統一的に自覚されるようになった。…

※「文化文政時代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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