普及版 字通 「最」の読み・字形・画数・意味
最
常用漢字 12画
(異体字)
12画
[字訓] とる・あつめる・もっとも
[説文解字]
[字形] 会意
正字はに作り、(ぼう)+取。取は耳をもつ形。戦場で敵を討ち取ったとき、その左耳を切って証とし、それによって軍功を定めた。〔説文〕七下に「犯して取るなり」とし、また字条七下に「積むなり」とするが、両字は声義同じく、もと同字である。・冖(べき)は上から覆う形。左耳を集めて、その数を軍功としたので、とは首功、第一の功をいう。集める意もあり、撮の初文。副詞にして「もっとも」という。
[訓義]
1. とる、あつめる、討ち取った敵の左耳を切ってあつめる。
2. 左耳の数で軍功を定め、首功を最という。
3. 撮の初文で、とり集める、ひろい集める。
4. すべる、くくる、しめくくる。
5. もっとも、はなはだ、すぐれる、第一。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕最 ツトム・モトム・モトモ・アツマル・イト・スグル・アツム・ハジメ・クタク/最 ハツホ
[声系]
〔説文〕に最声として撮を収め、「兩指もて撮るなり」という。つまみあげるというほどの意。
[語系]
最tzuat、撮tsuatは声義近く、撮は最から分化した字。纂tzuan、dzhoan、dzuanはみな纂集の意をもち、また最・撮と関連のある語である。
[熟語]
最愛▶・最下▶・最佳▶・最課▶・最宜▶・最鉅▶・最近▶・最啓▶・最賢▶・最後▶・最功▶・最工▶・最好▶・最幸▶・最高▶・最終▶・最初▶・最小▶・最勝▶・最上▶・最新▶・最盛▶・最先▶・最善▶・最尊▶・最多▶・最大▶・最中▶・最低▶・最殿▶・最微▶・最品▶・最凡▶・最末▶・最目▶・最尤▶・最優▶・最要▶・最吏▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報