梅雨・黴雨(読み)ばいう

精選版 日本国語大辞典 「梅雨・黴雨」の意味・読み・例文・類語

ばい‐う【梅雨・黴雨】

〘名〙 (梅の実の熟する時期に当たるからとも、物に黴(かび)が生じやすいからともいう) 夏至中心とした前後およそ二〇日ずつ程の雨期。また、その雨。日本本土、南朝鮮華中華南に特有。日本付近にほぼ東西に走る停滞前線梅雨前線という)が生じ、これに沿って小低気圧が通り、雨を降らせる。五月雨。つゆ。《季・夏》
本朝文粋(1060頃)九・鴻臚館餞北客帰郷詩序〈紀在昌〉「于時桂月漸傾、梅雨斜落」
※俳諧・韻塞(1697)五月「夕だちのかしら入たる梅雨哉〈丈草〉」 〔李嘉祐‐発青泥店至長余県西涯山口詩〕

つゆ【梅雨・黴雨】

〘名〙 六月前後の、雨やくもりの日が多く現われる時期をいう。また、その時期の気象状況。北海道を除く日本および中国の揚子江流域、朝鮮南部に特有のもの。ばいう。五月雨(さみだれ)。《季・夏》 〔文明本節用集(室町中)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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