諂う(読み)ヘツラウ

デジタル大辞泉 「諂う」の意味・読み・例文・類語

へつら・う〔へつらふ〕【×諂う/×諛う】

[動ワ五(ハ四)]人の気に入るように振る舞う。また、お世辞を言う。おもねる。追従ついしょうする。「上司に―・う」
[類語]こびるおもねる取り入るごますり阿諛あゆおためごかし卑屈へつら取り巻くこびを売る胡麻ごまをする鼻息をうかがう太鼓を叩く機嫌を取る尻尾を振る歓心を買う色目を使う秋波を送る気を引く気を持たせる調子を合わせる追従ついしょうおべっかおべんちゃら諂巧てんこう諂阿てんあ諂曲てんごく諂笑てんしょう諂媚てんび諂諛てんゆ阿付迎合へいへいへいこらぺこぺこ曲学阿世味噌を意を迎える勿体臭い勿体ぶる気取る澄ます格式張る見栄を張る虚勢を張る気を持たせる体裁振る背伸び御大層らしい大層らしい仰仰しい誇大大袈裟おおげさオーバー大層事事ことごとしい大仰おおぎょう針小棒大尾鰭おひれを付ける思わせ振りしなを作る大人振る見せ掛け見せ掛ける行い澄ます取り澄ます飾り気虚栄自意識過剰お高くとまるお高い芝居がかる猫かぶり猫をかぶるもっともらしい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「諂う」の意味・読み・例文・類語

へつら・うへつらふ【諂・諛】

  1. 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙 気に入られようとして、相手の機嫌をとる。こびる。おもねる。追従する。
    1. [初出の実例]「其れ諂(ヘツらひ)詐く者は、則ち国家を覆(くつかへ)す利(と)き器なり」(出典日本書紀(720)推古一二年四月(岩崎本訓))
    2. 「君達の、おはし通はむに、世の聞えなむ、へつらひたるやうならむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)東屋)

諂うの補助注記

多くの語源説が提起されているが、動詞「へる(謙)」の連用形「へり」に接尾語「つらふ」が結合したとする説、動詞「へつかふ」と語構成が類似し、意味にも共通性が感じられるところから、「あたり」を意味する「へ(辺)」に「つらふ」が連接したとみる説が注目される。

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