媚びる(読み)コビル

デジタル大辞泉 「媚びる」の意味・読み・例文・類語

こ・びる【×媚びる】

[動バ上一][文]こ・ぶ[バ上二]
他人に気に入られるような態度をとる。機嫌をとる。へつらう。「権力者に―・びる」「観客に―・びる演技
女が男の気を引こうとしてなまめかしい態度や表情をする。「―・びるような目つき」
[類語]へつらうおもねる取り入るごますり阿諛あゆおためごかし卑屈へつら取り巻くこびを売る胡麻ごまをする鼻息をうかがう太鼓を叩く機嫌を取る尻尾を振る歓心を買う色目を使う秋波を送る気を引く気を持たせる調子を合わせる追従ついしょうおべっかおべんちゃら諂巧てんこう諂阿てんあ諂曲てんごく諂笑てんしょう諂媚てんび諂諛てんゆ阿付迎合へいへいへいこらぺこぺこ曲学阿世味噌を意を迎える勿体臭い勿体ぶる気取る澄ます格式張る見栄を張る虚勢を張る気を持たせる体裁振る背伸び御大層らしい大層らしい仰仰しい誇大大袈裟おおげさオーバー大層事事ことごとしい大仰おおぎょう針小棒大尾鰭おひれを付ける思わせ振りしなを作る大人振る見せ掛け見せ掛ける行い澄ます取り澄ます飾り気虚栄自意識過剰お高くとまるお高い芝居がかる猫かぶり猫をかぶるもっともらしい

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精選版 日本国語大辞典 「媚びる」の意味・読み・例文・類語

こ・びる【媚】

  1. 〘 自動詞 バ上一 〙
    [ 文語形 ]こ・ぶ 〘 自動詞 バ上二段活用 〙 他人に気に入られるような態度をとる。へつらう。特に、女性が男性の気をひこうとしてなまめかしくふるまうことをいう。
    1. [初出の実例]「其の女壮(をとこ)に媚(コ)び馴(なつ)き、壮睇(めかりう)つ〈興福寺本訓釈 媚 古比〉」(出典:日本霊異記(810‐824)上)

媚びるの補助注記

中世から近世初頭にかけて、この「媚びる」と並んで、古びる意の「こびる」があり、この二語は、同源である可能性があるが、ヘボンの「改正増補和英語林集成」では、媚びへつらう意味の「媚ビル」と、老成した意味の「古ビル」を別見出しにしている。

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