仰仰しい(読み)ギョウギョウシイ

デジタル大辞泉 「仰仰しい」の意味・読み・例文・類語

ぎょうぎょう‐し・い〔ギヤウギヤウ‐〕【仰仰しい】

[形][文]ぎゃうぎゃう・し[シク]大げさである。「―・く飾りたてる」「―・いあいさつ」
[補説]「仰仰」は近世以降の当て字で、室町時代表記からみると、「業業げふげふ」「凝凝ぎょうぎょう」「希有希有げうげう」などから生じたと考えられる。「ぎょう」「仰山ぎょうさん」の「ぎょう」も同語源
[派生]ぎょうぎょうしげ[形動]ぎょうぎょうしさ[名]
[類語]センセーショナル扇情的刺激的ファナティック誇大大袈裟オーバー大層事事しい大仰おおぎょう針小棒大尾鰭を付ける御大層らしい大層らしい見栄を張る虚勢を張る気を持たせるもったい振る体裁振る勿体臭い気取る澄ます格式張る背伸び思わせ振りしなを作る大人振る見せ掛け見せ掛ける行い澄ます取り澄ます飾り気虚栄自意識過剰お高くとまるお高い芝居がかる猫かぶり猫をかぶるもっともらしいびるへつらおもねる取り入る胡麻ごますり阿諛あゆおためごかし卑屈へつら取り巻くこびを売る胡麻ごまをする鼻息をうかが太鼓を叩く機嫌を取る尻尾を振る歓心を買う色目を使う秋波を送る気を引く気を持たせる調子を合わせる追従ついしょうおべっかおべんちゃら諂巧てんこう諂阿てんあ諂曲てんごく諂笑てんしょう諂媚てんび諂諛てんゆ阿付迎合へいへいへいこらぺこぺこ曲学阿世味噌を意を迎える物物しい厳めしいおごそ厳粛粛粛厳然森厳荘厳荘重重厚重重しい厳として重量感どっしりずっしりずしりずしっとどっかとがっしり重み広量堂堂大度太っ腹マッシブ存在感睥睨へいげい厳しい厳格厳重厳酷厳正冷厳峻厳しゅんげん峻烈しゅんれつ苛酷険しい辛辣しんらつ粛然貫禄威厳威徳尊厳威儀権威威信威名威望名望威光威力権力勢威重圧すご脅威威圧威風威風堂堂威容偉容英姿雄姿勇姿ご大層息が詰まる大風呂敷を広げる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「仰仰しい」の意味・読み・例文・類語

ぎょうぎょう‐し・いギャウギャウ‥【仰仰】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]ぎゃうぎゃう〘 形容詞シク活用 〙 おおげさである。ぎょうさんである。たいそうである。
    1. [初出の実例]「指過ぎたる事をきょうきょうしゐと云ふは何れの字を用ふべきぞ。業々と書くべき歟。文選に反宇(それるのき)業々(キョウキョウ)とたかしとよめり。李善が注に高く峻㒵と云へり、其心叶へるにや」(出典壒嚢鈔(1445‐46)二)
    2. 「ぎゃうぎゃうしい白むく着たは」(出典:浄瑠璃・傾城反魂香(1708頃)中)

仰仰しいの語誌

( 1 )語源は明らかではないが、室町時代には「げう」「ぎょう」と書かれており、「ぎゃう」と読まれる「仰」ではなかったらしい。
( 2 )挙例の「壒嚢抄‐二」は「業々」を語源とするが、意味的には「ぎゃう(仰)」「ぎゃうさん(仰山)」と関連があること、また、「業々」が形容詞に活用するほど一般語化していたとは考えにくいことの二点から、妥当性を欠く。
( 3 )「元亀本運歩色葉集」に「希有々々敷 ケウケウシク」とあることから「けう(希有)」が変化して「げう」となり、それを重複させて形容詞に活用したものとも考えられるが、断定はできない。
( 4 )「仰」の字をあてるのは、近世、「げう」と「ぎゃう」の音韻上の区別がなくなってからのことである。

仰仰しいの派生語

ぎょうぎょうし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

仰仰しいの派生語

ぎょうぎょうし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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