辞(日本語文法)(読み)じ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

辞(日本語文法)

日本語の文法で、単語を文法上の性質により2大別した場合の一類。他の一類を詞(し)という。立場によってその内容は異なり、橋本進吉によれば、つねに他の一類である詞に伴って文節を構成するもので、これを付属辞または辞、助辞と称する。これに属するのは助詞と助動詞である。時枝誠記(もとき)は、概念化の過程を経ず、言語主体の立場のみを直接的に表現する語類を辞とする。この立場での辞に属するのは助詞、助動詞、感動詞、接続詞、陳述副詞である。ただし、一般に助動詞とされる「れる・られる・せる・させる・たい」(文語では「る・らる・す・さす・しむ・まほし・ごとし」)などは、客体的な事柄を述べるので、辞とは認めず、詞のなかの接尾語とする。

[青木伶子]

『橋本進吉著『国語法研究』(1948・岩波書店)』『橋本進吉著『助詞・助動詞の研究』(1969・岩波書店)』『時枝誠記著『国語学原論』(1941・岩波書店)』『時枝誠記著『日本文法 口語篇』(1950・岩波全書)』『渡辺実著『国語構文論』(1971・塙書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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