普及版 字通 「造」の読み・字形・画数・意味
造
常用漢字 10画
(旧字)
11画
[字訓] いたる・つくる
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
字の初形は・に作り、は舟+(告)。舟は盤の形。は木の枝に祝を収める器((さい))をつけて神に訴え祈る意。わが国の申し文にあたる。盤中に供えものを薦め、申し文をつけてささげ、神のいたるのを迎えることを造という。は前でその儀礼を行う意。は・の省文に従う字である。〔説文〕二下に「就(な)るなり」と訓するが、就は訓義多く、「就(な)る」「就(つ)く」などとよむ。〔説文〕にを(こく)声とするが、は字の初形でなく、古文として録するの省文に従う。金文の〔令彝(れいい)〕に「用(もつ)て王の(げきざう)にす」とあり、逆造は出入の意。〔礼記、王制〕「(でい)()にす」は祭名。〔麦(ばくか)〕「(つひ)に用てを(な)す」は成就の意。〔頌壺(しようこ)〕「新()の貯」は新しく屯倉を設営する意。字の初義は、ほとんどすでに金文の用義のうちにみえる。字は(草)・曹に通用することがあり、造次・両造のようにいう。
[訓義]
1. いたる、いたす、いのる、つげる。
2. はじめる、はじめ、つくる。
3. なる、おわる。
4. 祭の名、父をまつる。
5. にわか。
6. 遭と通じ、あう。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 ツクル・イタル・ツク・スナハチ・トブラフ・ナジル・ハジメ・ハジム・スム・ナリ・ホコル・タメニ・ミカラニ・ナラブ・ナル・ナス・アヘリ/ ニハカニ・スミヤカニ
[語系]
dzuk、就dziukは声義が近い。の初文は・に作り、盤中にものを供えて告祭する意。成功を報告するときもその儀礼を用いる。就は軍門としての京が完成し、犬牲を供えて落成する意である。tsuも音近く、造次は草卒の意。曹dzuは法曹、獄の当事者を両造という。
[熟語]
造悪▶・造意▶・造為▶・造営▶・造謁▶・造闕▶・造焉▶・造化▶・造▶・造形▶・造詣▶・造言▶・造玄▶・造語▶・造構▶・造獄▶・造罪▶・造作▶・造始▶・造次▶・造舟▶・造就▶・造飾▶・造人▶・造成▶・造請▶・造設▶・造説▶・造然▶・造端▶・造▶・造朝▶・造第▶・造反▶・造微▶・造氷▶・造誣▶・造物▶・造邦▶・造訪▶・造謀▶・造謗▶・造昧▶・造謡▶・造立▶
[下接語]
営造・改造・贋造・偽造・急造・虚造・建造・巧造・構造・興造・再造・私造・修造・醸造・深造・新造・製造・繕造・創造・鍛造・築造・鋳造・肇造・天造・捏造・変造・密造・模造・乱造・濫造・両造
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報