(読み)コウ

デジタル大辞泉 「交」の意味・読み・例文・類語

こう【交】[漢字項目]

[音]コウカウ)(漢) [訓]まじわる まじえる まじる まざる まぜる かう かわす
学習漢字]2年
二つ以上のものがまじわる。「交差交通交流
入れかわる。かわるがわる。入れかえる。「交換交互交代交番
つきあう。つきあい。まじわり。「交際交渉交遊外交旧交国交社交親交絶交断交
男女が性的な関係を持つ。「交合情交性交
「交渉」の略。「団交
手渡す。「交付手交
(「淆」の代用字)入りまじる。「混交
[名のり]かた・とも・みち・よしみ
難読交喙いすか斜交はすか悲喜交交ひきこもごも交譲葉ゆずりは

こも‐ごも【交/交々/相/更】

[副]《古くは「こもこも」》
多くのものが入り混じっているさま。また、次々に現れてくるさま。「悲喜―至る」
互いに入れ替わるさま。かわるがわる。互いに。
「犬は一疋ずつ土橋の側から下りて行って、灌水の水を―に味うた」〈佐藤春夫田園の憂鬱
[類語]代わる代わる代わりばんこ交互に互いに相互に次次

こう〔カウ〕【交】

つきあうこと。まじわり。「親しくを結ぶ」「水魚
年月季節などの変わり目のころ。「春夏

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精選版 日本国語大辞典 「交」の意味・読み・例文・類語

まじわりまじはり【交】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「まじわる(交)」の連用形名詞化 )
  2. まじわること。人と交際すること。つきあい。交際。
    1. [初出の実例]「上北面より殿上のまじはりをゆるさるる者もあり」(出典:平家物語(13C前)一)
    2. 「過ぎ去った日の彼との交わりを鮮明によみがえらせ」(出典:明日への楽園(1969)〈丸山健二〉一)
  3. 男女が交合すること。交接すること。性交。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  4. 数学で用いる語。
    1. (イ) 二つまたはいくつかの図形が出合うところに生じる共通の点。また、その点が集まってできる図形。種類によって、交点・交線・切り口などと呼ぶ。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕
    2. (ロ) いくつかの集合に共通な要素の全体から成る集合の、そのいくつかの集合に対する称。集合A、B、C、…の交わりは記号∩を用いて、ABC∩…のように表わす。キャップ。共通集合。共通部分。積集合。
  5. キリスト教で、イエス=キリストをもととする信徒相互の信仰生活。

こうカウ【交】

  1. 〘 名詞 〙
  2. まじわる所。
    1. [初出の実例]「経度百八十度の交を過るとき、一日を増すこと定りなり」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)
  3. 季節、時期などのかわりめ。
    1. [初出の実例]「古人有白頭如新、傾蓋如一レ故。予是歳春夏之交、辱浄土院宰之識荊〈熙春〉」(出典:翰林五鳳集(1623)二八)
    2. 「嘉永安政の交に当り」(出典:条約改正論(1889)〈島田三郎〉一)
    3. [その他の文献]〔春秋左伝‐僖公五年〕
  4. まじわり。つきあい。交際。〔易経‐繋辞下〕
  5. こうてん(交点)〔遠西観象図説(1823)〕

こも‐ごも【交・相・更】

  1. 〘 副詞 〙 ( 中世までは「こもこも」 ) 互いに入れかわって。かわるがわる。つぎつぎに。古くは、漢文訓読に用いられた。かたみに。
    1. [初出の実例]「箭発(はな)つことを相(コモコモ)(ゆつ)りて」(出典:日本書紀(720)雄略四年二月(図書寮本訓))
    2. 「其他是非の批評こもごもいでたり」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉九)

かいかひ【交】

  1. 〘 造語要素 〙 ( まじわる意の動詞「かう(交)」の連用形から ) 動詞の連用形、名詞などに付いて、それらの動作あるいは物の交差すること、また、重なり合う所を表わす。「はがい(羽交)」「はすかい(斜交)」など。
    1. [初出の実例]「伊勢の海の 清き渚(なぎさ)に潮加比(カヒ)に なのりそや摘まむ」(出典:催馬楽(7C後‐8C)伊勢の海)

まじらいまじらひ【交】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「まじらう(交)」の連用形の名詞化 ) 人々との交際。仲間に加わること。まじわり。つきあい。
    1. [初出の実例]「まじらひもせず、宮の御もとへも参らずながめ給へり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)あて宮)

まじろいまじろひ【交】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「まじろう(交)」の連用形の名詞化 ) 交際すること。
    1. [初出の実例]「さやうのまじろひまでは、思しかくべうもこそあらざめれ」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)三)

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普及版 字通 「交」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

(旧字)
6画

[字音] コウ(カウ)
[字訓] まじわる・かわす

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
人が足を組んでいる形。〔説文〕十下に「脛なり」という。転じて交錯の意となり、交通・交友・交互のような相互の関係の意に用いる。

[訓義]
1. まじわる、交錯する。
2. たがいに、こもごも、かわるがわる、入りみだれる。
3. とりかわす、とりかえる。
4. 人とまじわる、とも。

[古辞書の訓]
名義抄 マジハル・マジハリ・ニハカニ・ニハカ・コモゴモ・ツルブ・アハヒ・ハザマ・ヨシビ・カハルガハル・イカデ 〔字鏡集〕 イロフ・ハサム・コモゴモ・ヨシビ・トモ・アフ・ミチ・サラニ・カハルガハル・マジハリ・マジハル・イタク・イカデ・ツルブ・ニハカニ

[部首]
〔説文〕に(絞)など二字を属する。は縊、交結する意の字である。

[声系]
〔説文〕に声として效(効)・(校)・皎・佼・狡・・駮など二十二字を収める。效は矢の曲直を正す意で矢に従い、は千木(ちぎ)形式の屋舎を示す字で爻(こう)に従う。いずれもとは別の形である。駮もまた駁に作る。佼・などは人の姿態をいい、は姿のよい形とされたのであろう。

[語系]
・佼・keは同声。佼・はすらりとした姿をいう。嬌kiも声義が近い。は交木を燎く祭儀。gyu、樛kyuも巻曲した形の意をもち、声義に通ずるところがある。

[熟語]
交椅・交印・交陰・交易・交援・交加・交和・交会・交匯・交蓋・交画・交格・交感・交換・交款・交・交歓・交誼・交脚・交窮・交挙・交拱・交衢・交頸・交契・交撃・交結・交献・交股・交午・交口・交・交婚・交叉・交際・交錯・交酢・交雑・交市・交私・交耳・交識・交爵・交手・交輸・交収・交酬・交牀・交照・交睫・交觴・交譲・交情・交織・交親・交刃・交衽・交訊・交綏・交噬・交接・交戦・交訴・交争・交・交兌・交拏・交唾・交待・交替・交態・交・交単・交質・交通・交締・交刀・交党・交頭・交闘・交道・交拝・交配・交縛・交番・交盤・交尾・交臂・交付・交紛・交兵・交朋・交鋒・交貿・交盟・交遊・交友・交游・交絡・交乱・交流・交領・交縷・交礼
[下接語]
遠交・外交・旧交・結交・国交・死交・私交・手交・修交・情交・深交・親交・性交・清交・絶交・淡交・断交・締交・肉交・納交・面交・蘭交・礼交

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