普及版 字通 「僕(漢字)」の読み・字形・画数・意味
僕
常用漢字 14画
[字訓] ぎょしゃ・しもべ・やつがれ
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は(ほく)。〔説文〕三上に「給事するなり。人に從ふ。は亦聲なり」と会意に解し、古文を録する。〔説文〕はを(とくほく)にして卑賤の意とし、そのことに従う者と解するのであろう。僕の初形は卜文では礼冠を頂き、儀礼に従う者の形に作り、その奉ずる器は辛の形に似ており、宰牲のことに当たるものかと思われる。古文は臣に従い、臣は神に事(つか)えるものであった。西周中期の金文〔(がいき)〕に「僕射(ぼくや)・士訊(しじん)・小大の右」のように官職名を列し、後期の〔師(しきき)〕に「僕(ぼくぎよ)・百工・牧・臣妾」とあり、僕は必ずしも下僕の意ではない。のち卑賤の称となり、司馬遷が任安に与えた書中には自称として用いている。
[訓義]
1. つかえるもの、神につかえるもの、つかさどる。
2. ぎょしゃ、僕御。
3. ともがら、なかま。
4. しもべ、めしつかい。
5. やつがれ、わたくし、自己の謙称。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕僕 ヤツガレ・ヤツコ・ワレ・ツカフ・ツク・ユルナリ・ツブネ・マツ・マメス 〔字鏡集〕僕 ツカフ・ツブネ・ヤツコ・マメヒ・マメス・ツカヒ・ヤツガレ・ツク・ワレ・タケシ・ムカフ・ユリナリ・ツカヒビト
[声系]
〔説文〕に僕声として濮など三字を収める。僕と声義の関係は認められない。
[熟語]
僕役▶・僕縁▶・僕牛▶・僕御▶・僕圉▶・僕区▶・僕使▶・僕廝▶・僕豎▶・僕従▶・僕妾▶・僕乗▶・僕臣▶・僕▶・僕賃▶・僕程▶・僕奴▶・僕党▶・僕▶・僕輩▶・僕婢▶・僕夫▶・僕僕▶・僕輿▶・僕▶・僕虜▶・僕旅▶・僕隷▶
[下接語]
家僕・頑僕・御僕・群僕・下僕・健僕・公僕・更僕・車僕・臣僕・僕・走僕・臧僕・村僕・太僕・台僕・忠僕・奴僕・童僕・馬僕・婢僕・輿僕・傭僕・僕・隷僕・老僕
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報