差(漢字)

普及版 字通 「差(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音] サ・シ
[字訓] すすめる・えらぶ・たがう

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は左(さ)。金文字形は禾(か)と左、また禾と右に従う二形に作り、禾(黍稷(しょしょく))を神に差(すす)めて祭る意。左は亦声とみてよい。羊牲を薦めることを羞(しゅう)といい、差ものち羊に従う字形を用いるが、もとは黍稷を差(すす)める字であった。金文には佐の義に用いる。神に差めるものであるから「えらぶ」意となり、また黍稷の類は長短のあるものであるから、参差(しんし)の意となる。〔説文〕五上に「貳(たが)ふなり。差(たが)ひて相ひ値(あ)はざるなり」とするが、差貳の意は最も後起の義である。

[訓義]
1. すすめる、神に黍稷をすすめる、つかわす、つかう。
2. えらぶ、しなをわかつ、次第する。
3. たがう、あやまつ、ちがう、くいちがう、まじわる、よこしま。
4. のこり、さしひき、あまり。
5. と通じ、いえる。
6. やや、いくらか、次第に。
7. 国語で、さす、すすめる、かぞえる。

[古辞書の訓]
名義抄〕差 ナカバ・サス・イユ・エラブ・タガフ・シナ・マサレラク・サシテ・アテテ・カタチガヒ・シサイ・シナジナ/參差 カタチガヒ 〔字鏡集〕差 ナカバ・イユ・マコト・シナジナ・シナ・マザル・ヤヤ・タガフ・カタチガヒ・マサレラク・エラブ・イヨイヨ・コトナリ・アヤマツ・タカ・アテテ・サダカ・シナ

[声系]
〔説文〕に差声として瑳・槎・・嵯など十五字、〔新附〕に蹉などを収める。差の声義をとるものが多い。

[熟語]
差委・差異差違・差役・差越・差押差訛・差・差回・差官・差観・差銀・差遣・差肩・差雇・差誤差互・差・差殺・差催差錯・差使・差次・差事・差失差殊差竣・差序・差承・差人・差数差舛・差選・差息・差度差択・差遅差跌・差等・差・差貸・差任・差派・差配・差撥差繆・差・差品・差別・差捕・差務差沐・差・差落差吏・差率・差量差戻・差路・差論・差差・差池
[下接語]
過差・乖差・格差・官差・級差・欽差差・肩差・誤差・公差・交差・降差・較差・視差・時差・収差・小差・参差・千差・選差・大差・段差・等差・倍差・偏差・落差

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android