普及版 字通 「族(漢字)」の読み・字形・画数・意味
族
常用漢字 11画
[字訓] やから・あつまる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
(えん)+矢。は氏族旗。矢は矢誓(しせい)、誓約に用いるもの。氏族旗のもとで誓約する族人をいう。〔説文〕七上に「矢鋒なり。之れを束ぬること族族たり」と鏃(やじり)を束ねる意で、族集のさまをいうとするが、鏃はのちの形声字で、族の初義ではない。族は矢誓の族盟に参加するもので、氏族軍、その構成者をいう。金文の〔毛公鼎〕に「乃(なんぢ)の族を以(ひき)ゐて、王の身を干吾(かんぎょ)()せよ」とあり、軍を派遣するときには、〔明公(めいこうき)〕「唯(こ)れ王、に命じ、三族をはして東或(国)(とうごく)を伐たしむ」のようにいう。また族集の意となる。
[訓義]
1. やから、みうち、うから。
2. 家すじ、ともがら、たぐい。
3. あつまる、むらがる、おおい。
4. 鏃と通じ、やじり。
5. 一族を滅ぼす、族滅。
6. 嗾と通じ、そそのかす、けしかける、せまる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕族 ヤカラ・タネ・エダ・ソフ・コハシ・アカフ・シフ 〔立〕族 ヤカラ・アマタ・トモガラ・エダ・ウチ・コハシ
[声系]
〔説文〕に族声として・鏃・嗾など四字を収める。おおむね族の声義を承ける字である。
[語系]
族dzokは聚dzio、叢dzongと声義通じ、みな叢聚の意がある。また簇・湊tsokもその系統の語である。
[熟語]
族夷▶・族姻▶・族貫▶・族居▶・族挙▶・族兄▶・族系▶・族罪▶・族殺▶・族子▶・族死▶・族嗣▶・族叔▶・族食▶・族親▶・族人▶・族姓▶・族世▶・族生▶・族戚▶・族属▶・族誅▶・族長▶・族弟▶・族党▶・族譜▶・族父▶・族法▶・族望▶・族滅▶・族約▶・族落▶・族類▶・族▶
[下接語]
異族・一族・姻族・羽族・王族・家族・華族・介族・冠族・寒族・貴族・九族・旧族・巨族・挙族・魚族・梟族・彊族・血族・眷族・語族・公族・皇族・高族・豪族・国族・三族・士族・支族・氏族・種族・聚族・親族・水族・世族・盛族・戚族・絶族・賤族・素族・族・疎族・宗族・他族・泰族・鼎族・同族・閥族・蛮族・匪族・品族・部族・分族・敝族・別族・邦族・望族・民族・名族・毛族・門族・右族・類族
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報