飄飄(読み)ヒョウヒョウ

デジタル大辞泉 「飄飄」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐ひょう〔ヘウヘウ〕【××飄】

[ト・タル][文][形動タリ]
風の吹くさまや、その音を表す語。
耳元で風が―と鳴り続けた」〈火野・土と兵隊
風に吹かれてひるがえるさま。
「風に揉まれる煙の如く―と舞いながら」〈谷崎異端者の悲しみ〉
足元ふらついているさま。また、目的もなくふらふらと行くさま。
「船は流れのまにまに―と軽く行くのである」〈木下尚江良人の自白
考えや行動世間ばなれしていて、つかまえどころのないさま。「前ぶれもなく飄飄と現れる」「飄飄たる風貌
[類語](4飄逸ふらっとふらりぶらりふらふらぶらぶらひょいひょっこり突然打ち付けぶっつけにわか出し抜け急遽きゅうきょ短兵急不意忽然こつぜん俄然突如いきなりふと矢庭にふいと唐突ふっとついついついついとつとひょっとはた思わず思わず知らず思いがけずはしなくはしなくも図らず図らずも時ならずたちま卒然やぶから棒寝耳に水突発的発作的反射的青天の霹靂へきれき

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「飄飄」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐ひょう ヘウヘウ【飄飄】

〘形動タリ〙
① 風が吹く音。また、そのさま。
海道記(1223頃)手越より蒲原「風飄々と翻りて砂を返し」 〔陶潜‐帰去来辞〕
② 雲や物が風に吹かれて、空中に舞うさま。翻るさま。
※懐風藻(751)晩秋於長王宅宴〈田中浄足〉「秋云暮、飄飄葉已涼」
太平記(14C後)三七「五雲飄飄(ヒョウヒョウ)として」 〔張衡‐西京賦〕
③ 当てもなくさすらうさま。身軽に動くさま。
読本・本朝酔菩提全伝(1809)七「これにて回向すみぬとて、他の詞はなく、瓢々(ヘウヘウ)として帰給ひぬ」 〔杜甫‐旅夜書懐詩〕
④ 世事にとらわれないさま。世間ばなれがしてつかまえどころのないさま。飄飄乎
野分(1907)〈夏目漱石〉四「飄々(ヘウヘウ)としてわが行末を覚束ない風に任せて平気なのは」

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普及版 字通 「飄飄」の読み・字形・画数・意味

【飄飄】ひようひよう(へうへう)

ひらひらと風に吹かれるさま。晋・陶潜〔帰去来の辞〕舟は遙遙(えうえう)として輕く(あが)がり、風は飄飄として衣を吹く。

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