ふらふら(読み)フラフラ

精選版 日本国語大辞典 「ふらふら」の意味・読み・例文・類語

ふら‐ふら

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 勢いよく出たり飛んだりするさま、いさみたつさまを表わす語。
※宇治拾遺(1221頃)一「毛の中より松茸の大きやかなる物の、ふらふらと出できて」
② 物のゆれ動くさま、物が力なく飛んだり舞い上がったりするさまを表わす語。
※清原国賢書写本荘子抄(1530)八「弱弓下手がいれば、矢がふらふらとして、をそくいきつくが」
③ 力がなくて安定感のないさまを表わす語。
(イ) 足もとがふらついて覚束ないさま。
※談義本・教訓雑長持(1752)一「近年中風(ちうぶ)下拵にや、両足ふらふらとして、からくり人形歩行(あるく)やうなれば」
(ロ) 力を出しきったりして疲れ果てたさま。
④ 目まいがしたり、頭がふらついたりするさまを表わす語。
歌舞伎彩入御伽草おつま八郎兵衛)(1808)序幕先刻の酒には強気に廻された。何だか頭がフラフラする」
⑤ いねむりをしていて頭がゆれるさまを表わす語。こっくりこっくり。
※元祿版古今著聞集(1254)一八「きはめたるねぶり人にて、餠をもちながら、ふらふらとねぶりけるに」
⑥ 十分に考えないで行動するさま、また、ある現象がおさえようもなく起こるさまを表わす語。
※評判記・秘伝書(1655頃)中なをりの一座の事「たのもしくおもひ候つれども、御こころ、ふらふらとかはり」
咄本聞上手(1773)ふの字「ふたりづれで、ふらふら出かけて」
⑦ 決断することができなくて迷うさまを表わす語。
※自由学校(1950)〈獅子文六〉悪い日「遊びに行こうか、止めようかと、フラフラ迷う地点
[2] 〘形動〙
① 目まいがして頭がふらつくさま。また、疲れや空腹などでからだがしっかり保てないさま。
※蝮のすゑ(1947)〈武田泰淳〉一「栄養不良でフラフラの病人も来た」
② 十分に考えないで行動するさま。
不在地主(1929)〈小林多喜二〉二「遊びたい盛りのフラフラな若い者達より」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ふらふら」の意味・読み・例文・類語

ふら‐ふら

[副](スル)
揺れ動いて安定しないさま。「悪路ハンドルふらふらする」
からだに力がはいらないさま。意識がはっきりしないさま。「熱でふらふらする」「ふらふらした足どり」
自覚目的のないまま行動するさま。「ふらふらと誘いに乗る」「盛り場をふらふらする」
態度が定まらないさま。「方針がふらふらする」
[形動]2に同じ。「猛練習でふらふらになる」
[アクセント]ラフラ、はフラフラ
[類語](1ふらりふらりぶらぶらゆらゆらひらひらびらびらぴらぴらひらりひらりひらりはたはたはらり/(2ぐらぐらよたよたよろよろゆらゆらぐらつくふらつくくらっとくらくらくらりぐらりぐらっとめまい立ちくらみ眩暈目がくらむ目が回るふらっと/(3ちゃかちゃかうろちょろうろうろどぎまぎおたおたどぎどぎそわそわもじもじもぞもぞぐずぐずちょこまか浮き腰そそくさあたふたうそうそよたよたやっさもっさてんやわんやまごまごぐじぐじいじいじ因循くよくようじうじふわふわおどおどせかせかびくびくきょときょとこせこせぐらぐらせわしい倉皇せっかちあくせく気ぜわしい軽佻浮薄浮薄闇雲やみくも性急右往左往軽挙妄動後先なしうわずるうわつくうろたえる

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