堪忍袋の緒が切れる(読み)カンニンブクロノオガキレル

デジタル大辞泉 「堪忍袋の緒が切れる」の意味・読み・例文・類語

堪忍袋かんにんぶくろ・れる

もうこれ以上我慢できなくて怒りが爆発する。
[補説]「緒」は、ひものこと。「堪忍袋の尾が切れる」と書くのは誤り。
[類語]切れるぷっつん逆上堪え難いたまらない忍び難いやりきれない激昂激怒激発エキサイト激する血走るかっとかっか癇癪かんしゃく憤懣ふんまん憤怒憤激短気短慮気短きみじか気が短い席を蹴る瞬間湯沸かし器怒り心頭に発するけんか腰ちゃぶ台返し腹の虫が治まらない腹に据えかねるむかむかむくれるおこいか憤る八つ当たりいじけるひねくれるすねるひがむねじけるねじくれるふくれる気色ばむむかつくむかっとむっとむしゃくしゃむらむらくしゃくしゃ不快不愉快不機嫌不興憮然仏頂面虫の居所が悪い風向きが悪い胸糞が悪い気を悪くするつむじを曲げるはらわたが煮え返るへそを曲げる怒り狂う腹立つ腹が立つ小腹が立つ腹を立てるしゃく小癪こしゃくしゃくに障る冠を曲げる向かっぱらやけっぱら業腹業を煮やす青筋を立てるわなわな虫唾むしずが走る反吐へどが出る

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精選版 日本国語大辞典 「堪忍袋の緒が切れる」の意味・読み・例文・類語

かんにんぶくろ【堪忍袋】 の 緒(お)=が切(き)れる[=を切(き)らす]

  1. もうこれ以上がまんしていることができなくなるの意。こらえにこらえた怒りが爆発して、行動にあらわす。かんにんぐらの戸があく。
    1. [初出の実例]「世俗の癖に、最早(もはや)堪忍(カンニンブクロ)の緒(オ)が断(キレ)たといふが〈略〉緒が断たらば、なぜ早ふ継足(つぎた)さざるや」(出典談義本・教訓雑長持(1752)五)

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ことわざを知る辞典 「堪忍袋の緒が切れる」の解説

堪忍袋の緒が切れる

怒りを抑えてがまんを重ねてきたが、もうこれ以上がまんできなくなることのたとえ。ついに怒りが爆発する。

[使用例] もう我慢がしきれない、堪忍袋の緒が切れたという風で[森鷗外*雁|1911~13]

[解説] この表現背景には、「堪忍五両」、「ならぬ堪忍するが堪忍」などといって堪忍をきわめて重視し、処世術にとどまらず守るべき徳目とする社会がありました。

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