デジタル大辞泉 「帳」の意味・読み・例文・類語
ちょう【帳】[漢字項目]
[学習漢字]3年
1 長い垂れ幕。とばり。「帳台/開帳・几帳・錦帳・紙帳・
2 記入用の冊子。「帳簿・帳面/記帳・台帳・通帳・手帳・大福帳」
[名のり]はる
[難読]
と‐ばり【▽帳/×帷】
2 物をおおいかくすもの。さえぎって見えないようにするもの。「夜の―」
[類語]カーテン・暖簾・窓掛け・日除け・日覆い・幌・シェード・ブラインド
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
壁代(かべしろ),引帷(ひきもの),几帳(きちよう),斗帳(とちよう),軟障(ぜじよう),幌(とばり)など室内で屛障用に用いられる帷(かたびら)の総称。〈とばり〉ともよむ。帷は布を数条縫い合わせて垂れ下げるものをいう。〈かたびら〉は片枚(かたひら)という意味で,〈片〉は対になるべきものの一方を意味し,〈枚〉は薄くて平らなものをいうから,文字通りだと裏のつかない布ということであるが,帳の場合はほとんど袷(あわせ)になっている。壁代は壁の領域(しり)の意。古代の建築は間仕切壁がほとんどなく,必要に応じて帳を張って間仕切としていたため壁代といった。寝殿造では母屋と庇(ひさし)の間に御簾(みす)といっしょにかけられた。冬は平絹に紫茶の朽木形文様や纐纈(こうけち)文,夏は生絹に白泥で花鳥や秋草などを描き,裏はいずれも艶出しした白平絹で上に袋乳をつけ,綱を通す。長さは約1丈,幅は場所に合わせて縫いつなげ表面には1幅ごとに野筋という紐を垂らす。野筋は壁代を巻き上げたとき縛るためである。引帷も壁代の一種で,曳物,引物とも書き,野筋が表裏両面についている。壁代より自由に室内の適宜な間仕切として用い,色柄も華やかなものが多かったようである。壁代が衝立(ついたて)式になったものが几帳である。箱形の台の上に柱が2本あるT字形の棹を立て,上の横木から帷を垂らす。棹は黒漆塗で,高さにより三尺几帳,四尺几帳とあり,三尺には四幅,四尺には五幅の帷を垂らす。屛風のように人の周囲,庇と母屋の境の御簾の下などに立てた。身近に立てるには三尺几帳が使われ,御簾の下には四尺几帳が使われた。斗帳は帳台のことであるが,帳台の周囲にかける帷のこともいい,単に帳ともいう。材質や作り方などは壁代に似ている。四幅のもの4条と五幅のもの4条の2種類からなり,帳台の四隅にまず四幅の帷をかけ,ついで五幅の帷を四方の中央に垂らす。そしてさらにこれに重ねて上方に帽額(もこう)とよぶ1条の横布を四周にめぐらす。軟障は幔幕(まんまく)に似た間仕切,幌は戸口にかける暖簾(のれん)である。
執筆者:小泉 和子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
(1)屏障(へいしょう)具の一つ。部屋をくぎったり、風や人目を遮るためにかけて垂らす布帛(ふはく)の総称。幌(とばり)、戸帳(とばり)、几帳(きちょう)、壁代(かべしろ)など。(2)帳台(ちょうだい)の略。帳台は、貴人が坐臥(ざが)する寝台で、斗帳(とちょう)、御帳台(みちょうだい)、または帳ともいわれた。畳二畳(じょう)を南北に敷いた上に、L字形の台を四隅に置いて、それに3本ずつ柱を立て、上に四角の枠を組んで天井として、上に白絹を敷き、天井のかまちから周囲に白絹の帷(かたびら)といわれる帳を垂らす。更衣のとき、夏物と冬物にかえた。
[高田倭男]
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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