見える(読み)ミエル

デジタル大辞泉 「見える」の意味・読み・例文・類語

み・える【見える】

[動ア下一][文]み・ゆ[ヤ下二]
1 目に映る。目で確認できる。「今夜は星も―・えない」
2 見ることができる。「猫は暗やみでも―・える」
3 判断される。見受けられる。そのように感じられる。「とても高校生に―・えない」「あのようすでは失敗したと―・える」「年より若く―・える」
4 見つかる。「置いたはずの眼鏡が―・えない」
5 「来る」の尊敬語。おいでになる。いらっしゃる。「先生が―・えました」
6 人に見られる。世間に見られる。
「すいたる名立ちて―・え騒がれ侍りしかば」〈宇津保・藤原の君〉
7 人に会う。対面する。
「―・えもせむ見もせむ人を朝ごとに起きては向かふかがみともがな」〈和泉式部集・上〉
8 結婚する。夫婦として連れ添う。
「女は男に―・ゆるにつけてこそ」〈源・若菜上〉
[下接句]魚うおの目に水見えず・餓鬼の目に水見えず・先が見える・鳶とびも居ずまいから鷹たかに見える・目に見えて・目に見える・山が見える
[類語](1)(2)目に見える・目に入る・目に触れる・目にする・見掛ける・見受ける・目撃・見る・見取る・認める・目に留まる・目に付く・目を射る/(5)来る・いらっしゃる・おいでになる・お越しになる・おでましになる・お運びになる

ま‐み・える【▽見える】

[動ア下一][文]まみ・ゆ[ヤ下二]《「みえる」は見られるの意で、相手から見られるというところから》
1 「会う」の意の謙譲語。お目にかかる。「主君に―・える」
2 顔を合わせる。対面する。「両雄相―・える」
3 妻として夫に仕える。「貞女は二夫に―・えず」
[類語]会う・対面する・面会する・会見する・お目にかかる・拝顔する・拝眉する・拝謁する・会する・落ち合う・目通りする・引見する・接見する・謁見する・面接する・面談する・会談する・見合い・顔合わせ・見参する・謦咳けいがいに接する

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精選版 日本国語大辞典 「見える」の意味・読み・例文・類語

み・える【見】

  1. 〘 自動詞 ア行下一(ヤ下一) 〙
    [ 文語形 ]み・ゆ 〘 自動詞 ヤ行下二段活用 〙 ( 「みる(見)」の自発の形。受身・可能の意にも用いられる )
  2. ① 自然に目にはいる。目にうつる。
    1. [初出の実例]「千葉の 葛野を見れば 百千足る 家庭(やには)も美由(ミユ) 国の秀(ほ)も美由(ミユ)」(出典:古事記(712)中・歌謡)
    2. 「鮪(しび)が鰭手(はたで)に 妻立てり彌喩(ミユ)」(出典:日本書紀(720)顕宗二年九月・歌謡)
  3. ② 他から見られる。また、他動詞のように用いて、意識して他から見られるようにする。他に見せる。
    1. [初出の実例]「物思ふと人には美要(ミエ)じ下紐の下ゆ恋ふるに月そ経にける」(出典:万葉集(8C後)一五・三七〇八)
    2. 「はかなき花紅葉につけても心ざしをみえ奉る」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
  4. ③ ( 他人から見られるの意から ) 人に会う。顔を合わせる。対面する。
    1. [初出の実例]「物も言はでこもりゐて、使ふ人にもみえで」(出典:大和物語(947‐957頃)一〇三)
    2. 「今一度小松殿にみえ奉らばや」(出典:平家物語(13C前)二)
  5. ④ ( 特に女が特定の男に会うというところから ) 夫婦の交わりをする。結婚する。また、夫婦として連れ添う。
    1. [初出の実例]「よきかたちにもあらず、いかでか見ゆべき」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  6. ⑤ 見ることができる。
    1. [初出の実例]「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる〈藤原敏行〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋上・一六九)
  7. ⑥ よく見ることがある。見なれる。見つかる。
    1. [初出の実例]「此国に見えぬ玉の枝なり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  8. ⑦ 現われる。人が来る。また、手紙が来る。現代では「人が来る」意の尊敬語として用いられるが、さらに敬語表現を加えて「お見えになる」「見えられる」の形をとることもある。
    1. [初出の実例]「宮人の安眠(やすい)も寝ずて今日今日と待つらむものを美要(ミエ)ぬ君かも」(出典:万葉集(8C後)一五・三七七一)
    2. 「日暮るるほどに、文みえたり」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
  9. ⑧ 目で見て…と思われる。そう感じられる。
    1. [初出の実例]「しらぬひ筑紫の綿は身につけていまだは着ねど暖けく所見(みゆ)」(出典:万葉集(8C後)三・三三六)
    2. 「御坊の御るすとみえて、玄関が明ぬとて」(出典:咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)上)
  10. ⑨ 文字に書かれる。書物に載る。
    1. [初出の実例]「栴檀は二葉よりかうばしとこそみえたれ」(出典:平家物語(13C前)一)
  11. ⑩ 判断がつく。わかる。
    1. [初出の実例]「腰の物のこしらえ、手足にてあらましみゆる事ぞ」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)五)

見えるの語誌

( 1 )上代では「見ゆ」で文を結ぶという文末形式が顕著で、単にモノを表わす名詞に下接するにとどまらず、①の挙例「書紀‐歌謡」のように、コトの存在をも活用語の終止形に下接するという特異な構文で示したが、平安時代になると、この構文はすっかり姿を消す。かわって、活用語に下接するときには、連体形に接続することとなる。
( 2 )完了の助動詞「つ」に上接することから、形状性の用言であったことがわかるが、一方で、動作性の用言として、他人から見られる、見られるようにするの意から展開して、ヲ格をとったり、③④などの意の用法を持つに至るなど、他動詞的な用法も派生した。


ま‐み・える【見】

  1. 〘 自動詞 ア行下一(ヤ下一) 〙
    [ 文語形 ]まみ・ゆ 〘 自動詞 ヤ行下二段活用 〙 ( 「みえる」は「みられる」の意で相手からみられるというところから )
  2. ① 「会う」の意の謙譲語。おめにかかる。お会いする。また、単に、顔を合わせる。対面する。
    1. [初出の実例]「今は覲(マミエ)奉(まつ)ること已に訖ぬ」(出典:日本書紀(720)神代上(兼方本訓))
  3. ② 姿を現わす。現われる。出現する。
    1. [初出の実例]「サテ マタ mamiye(マミエ) タマウ ヲンスガタ」(出典:スピリツアル修行(1607)ロザイロの十五のミステリヨ)
  4. ③ 夫と定める。夫としてつかえる。
    1. [初出の実例]「忠臣は二君につかへず、貞女は二夫にまみえずとも」(出典:高野本平家(13C前)九)

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