デジタル大辞泉
「産」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
さん【産】
[1] 〘名〙
※枕(10C終)一二〇「やんごとなきところの名うちいひて、御さんたひらかになど、げんげんしげに申したるなど」
② 生まれた場所。その土地の生まれ。出生地。出身地。
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)五「最期迄日本の恥を思はれし、我も同じく日本のさん生国は捨まじ」 〔孟子‐滕文公上〕
③ その土地でできること。収穫されること。また、その
品物。物産。産物。
※輿地誌略(1826)七「此部の産は、
獅子、虎、豹、象、
駱駝」
※俳諧・本朝文選(1706)九「それ足は行歩を産として、外の用をしらず」 〔孟子‐梁恵王上〕
⑤ くらしのもとでになる生業の利益、財貨。財産。資産。身代(しんだい)。
※
徒然草(1331頃)一四二「人、恒の産なき時は恒の心なし」 〔史記‐淮南王安伝〕
[2] 〘語素〙
地名などの下に付いて、その土地で作られたものであることを表わす。
※諷誡京わらんべ(1886)〈
坪内逍遙〉五「一目亜細亜産
(サン)の
動物なりとは、誰にもわ
かりさうな」
さん‐・する【産】
[1] 〘自サ変〙 さん・す 〘自サ変〙
① 生まれ出る。誕生する。
② 物が作り出される。産出する。とれる。
[2] 〘他サ変〙 さん・す 〘他サ変〙
① 子をうむ。出産する。分娩する。
※
拾遺(1005‐07頃か)雑賀・一一六六・
詞書「ある人の産して侍ける七夜」
② 物を作り出す。また、産物がとれる。産出する。
※
史記抄(1477)三「行
レ善而備
レ敗財用衣食を産すると同ことぞ」
③ 生あるものを育てる。養育する。
む【産】
※古事記(712)下・歌謡「そらみつ 大和の国に 雁(かり)卵(こ)牟(ム)と聞くや」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報